kouheiのへそ曲がり日記

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カラマーゾフと芥川

2005-06-07 10:50:00 | 日記
2年前のことである。
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』と芥川龍之介の『羅生門・鼻』を続けて読んだ。
何と言うか・・・特上のサーロインステーキを食べた後にお茶漬けをサラサラといったような・・・(笑)

それにしても前評判どおり、イワンの「大審問官」には考えさせられた。
なるほど自由は苦しいものだ。
たとえば、カトリックの地域とプロテスタントの地域とでは、後者の方が自殺率が高い。
E・デュルケームは、この現象を次のように説明した、すなわち、

プロテスタントは教義を自由に検討しなければならない。
つまり彼らは「自由検討」を強制されているのである。
そのぶんプロテスタントの方が精神的緊張の度合いがカトリックよりも高い。
よって自殺率が高くなるのだ・・・と。

自由と幸福とは必ずしも正比例しない。
『芋粥』の五位は、「自由に」好きなだけ芋粥をを食せる立場になったとき、虚しさを覚え、一度でいいから芋粥に飽きてみたいと考えていた以前の自分を懐かしむのである。

才能豊な人は自由であった方がいいのだろうが、そうでない者にとっては、むしろそこそこの拘束生活の方が幸せなのかもしれませんぞ。

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