2023/10/27付ブログ記事「国道183号江府三次道路・鍵掛峠道路の進捗について」の続報です。
上記ブログ記事で
>鍵掛峠区間のほうが高尾三坂区間より4年3か月も遅い2005年3月に整備区間に指定されましたが、進捗は現時点では長大トンネルを含む鍵掛峠区間のほうが順調で、今回の工期見直しでほぼ確実に(トンネル工事で大きなトラブルが発生しない限り)先に開通することになりました
と書きましたが、そのトンネル掘削時に発生する湧水による「井戸水位の低下」が確認されました。
https://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/press/R6/240614.pdf
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1231137?display=1
低下幅は30m以上と大きく、これが続くと地元住民の生活にも影響してくるため、十分な対策を施し地元住民に理解してもらうまでは掘削工事が再開できないことでしょう。中国地方整備局側からはその後1か月以上続報はなされていませんが、状況次第ではトンネル区間も開通が後ろ倒しになるかもしれません。
もう1点・・・
鳥取県側の江府道路区間について、進捗の詳細を解説することとします。
鳥取県公式サイト内の江府道路を紹介するページの記述によれば、2024年7月時点の進捗状況は約65%程度となっています。
https://www.pref.tottori.lg.jp/254861.htm
上記ブログ記事で書いたように2023年4月時点での進捗状況は約50%程度だったので、約15ヶ月で15%ほど進んだ計算になります。その大半を占める久連トンネルの工事(現段階では2026年度までトンネル本体工事が予定されている)に関しては、施工する共同企業体が積極的に情報を発信しています。
https://ad-hzm.jp/kure-tunnel/index.htm
一方、特徴的なのは「江府道路区間の両端で日野川を渡る橋梁については、とっくの昔に完成済みである」ことですね。おそらく久連トンネルについてはもともと両側の坑口付近に通じる道路が存在しないため、先に資材搬入路として完成させておく必要があったものと思われますが。北側の久連大橋は2016年1月に、南側の洲河崎大橋は2017年3月に、洲河崎大橋と久連トンネルの間にある宮ノ谷トンネルは2019年4月に完成しています。
そして、洲河崎大橋と宮ノ谷トンネル南側坑口は現在の国道183号からはもちろん、並行するJR伯備線を走る列車の車内からもよく見えます。
現地付近のストリートビューはこちら
当然久連トンネルが完成しないとこの区間を供用開始させることはできないわけで、あと少なくとも3年程度は、特急やくもの車窓から未完成の道路を見せつけられることになりそうです。
<10/9追記>
井戸水位の低下の確認により掘削工事が中断していた鍵掛峠のトンネルですが、井戸改修の完了に続きトンネル掘削面の被圧を低下させるための水抜きボーリングを実施し、2024/10/1から掘削を再開しています。
https://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/press/R6/241001-2.pdf
半年近く掘削が中断していたことになりますが、果たして工程にはどの程度影響が出ることでしょう?