ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

レンタサイクル屋は道草を食う。

2019年05月29日 | 北海道の暮らし・生活
連休明け頃。
お客さんはぷっつり途絶えてしまった。
急にヒマになり、
レンタサイクル屋の僕は何をすればいいのかわからなくなって右往左往していたのだ。

仕方ないから、
野良仕事をしまくる。

草刈りはもちろん、
集落外れの原野の下草まで刈ったり、
ドブさらいをしたりして、鬱憤を晴らしていた。

僕は、
仕事をしていないとバラバラに分解されて土に還ってしまう奇病なのだ。(駄)

その頃に下草刈りをした原野をブラブラするのは楽しい。
邪悪に繁った熊笹を刈り取った跡の森はまるで公園の一角のようになった。
明るくて、空気すら以前よりも澄んだように感じる。

あれから3週間が経ち、
さっそく緑が芽吹いている。

修羅と化した僕にがっつり刈り取られて、これは子孫繁栄の危機到来かと慌てた熊笹が、花を一斉に咲かせている。
iphoneのレンズを向けたがピントが合わなくて、写真はないが、珍しい光景だ。

笹は滅多に咲かないのだ。

太陽の光が差すようになった地面には、
それまでなかったものが多く芽吹いていた。

オオアマドコロ。

若い芽は甘くて美味しい。
天ぷらにしたら絶品だし、
おひたしも美味い。
酢味噌和えなど、たまらない一品になる。

花は、

蘭に似る。


ツリガネ型の白い花はスズランにも似るが、
全草に猛毒を有するスズランと違って毒はない。

ランの仲間は有毒というのが常識だが、
アマドコロは例外といったところ。

おお。これは、
有名どころ。こちらも食える草だ。

あっちこちにニョキニョキ顔を出している。

コレなどは、

しっかり太くて美味そうだ。

そんなコイツはお馴染みの「ウド」。

人気のある山菜だが、北海道では大して珍しくもなく道端にいくらでも生えていて巨大になるので雑草扱いだ。

うまい道草だ。

これくらいあれば、

我が家の夕食には充分だ。
取り過ぎても誰も得しないから、これくらいでいい。

さっそく、料理なのだ。
山菜はすぐにエグ味が出るから、さっさと食うに限る。

冷蔵庫でコンニャクが半分凍ってしまった状態で転がっていた。
そんなコンニャクは食感が台無しなので凍った部分は刻む。さきほどのウドはタテ切りにする。太めのキンピラを作るイメージで炒めながら絡めて
胡麻ピリ辛炒め。

こいつは、
劇的にご飯がすすむよ。

冷蔵庫の中の厄介者と道草が素朴なひと品になった。

身近な自然を、特に構えることもなく、
日常的に食す。

北海道の生活の、そんなところが大好きだ。