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127 Hours

2010-12-07 17:18:36 | レビュー
この映画は登山家アーロン・ラルストンの経験した実話に基づいている。
巨礫に腕を挟まれ身動きできなくなった彼が題名の通り127時間ぶりに生還するというだけの筋書きだ。

結末を誰もが知っている単純な素材をダニー・ボイル監督が上手に料理している。
トレインスポッティングで見られた彼のポップな感覚が見事にこの映画でも生かされている。
悲劇に襲われたときの人間の反応(拒絶、怒り、絶望、受容)の過程がテンポ良く描かれ、幻覚とフラッシュバックを利用して彼の人生と内面を端的に表現している。

一言で言うと、アーロン役のジェームス・フランコの一人舞台だ。
回想シーンを使って、身動きできないでいる彼が「どうしてこうなってしまったんだろう」と自問自答する姿を描き出す。
非現実的な設定でのパーティーシーンや仮想上の人間関係が彼の深層心理へと観客を案内していく。

撮影現場となったユタ州の自然は厳しくかつ美しく、映画を見応えのあるものにしている。
興行的にはそこそこかもしれないが(現在~20億円ほど)、一般視聴者の評判はかなり高い。
今年のベスト3映画にランク入りしている。

映画を見終わって残っているのは、一つの経験だ。
絶望でもないし希望でもない。
多くの人がこの経験を共有できればいいなと思う。


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