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グーグル社のOS

2010-12-08 08:36:03 | 日記
グーグルがパソコン用OSを2011年に投入するという記事が新聞に出ていた。
来年の夏の話なので広告かなと思ってしまった。

グーグルはクロームOS搭載のパソコンを2010年中に発売すると公表していたから、これは発売延期のニュースだ。
本来、携帯電話用のアンドロイドと同時に販促したい訳だから、グーグルにとっては不本意な結果と思われる。
何故だろうか?
この理由は新しいOSを利用しようと考えている人にとって重要だ。

どうやら大きな要因が二つあるらしい。

一つはハードウェア。
クロームOSはインテルのx86とARM用に開発されたが、ウィンドウズ用とは異なるハードウェアが必要なのにメーカーからの支援がいまいち不十分だとのこと。

もう一つの問題はアンドロイド同様、断片化 (Fragmentation) だ。
ブログやフォーラムによると問題は携帯電話よりも深刻らしい。

市場を見てみよう。
日本はインフラが未熟なのでクロムOSが受け入れられるには時期尚早だが、欧米ではクロムOSの目指しているクラウドコンピューティングが一般にも浸透し始めている。
今から準備を始めれば、将来クラウドが主流となった時にプレイクする可能性はある。

そのためのアプローチがグーグル、アップル、マイクロソフトの3社で異なる。

アップルは断片化をなくすために、ハードウェアの生産を一本化している。
つまりMAC-OSを搭載したライセンス生産が出来ない仕組みだ。
ソフトウェアにも規制があり、iTunes Store を通じたソフト販売がほとんど全てと言って良い状態だ。
メリットは、どのアプリケーションも一定の水準にあると言うこと。
開発者も収入源がしっかり確保できるという点。
デメリットは、アップル社の「検閲」が入るという点。

マイクロソフト社はOSに関しては長年断片化に直面してきた。
アップグレードするために箱入りのOSを買っても、それが全ての機種でうまくいくという保証がない。
ドライバーも各機種ごとに用意する必要があるなど。
顧客の側でもその不便さを認識しており、今更販売に支障はない。
携帯電話のOSについてはこの限りではなく、Windows Phone 7 が苦戦しているのも当然だ。
クラウドに関してはビジネスを中心として推進している。
エクスチェンジサーバーという最強の武器をてこにして顧客開発に臨んでいる。
自分の強いところから攻めるという正攻法だ。

グーグルはクラウドそのものに強さを持つ。
ハードでの経験がないのが弱みだ。
サムスン電子やエイサーなど、限られたメーカーと組んで断片化を最小限に抑えれば勝機はある。
ガラパゴス進化を遂げた日本のメーカーが参入してくると話がややこしくなる。
ただ、オープンを謳っているだけにメーカーを限定することが難しいのではないだろうか。

グーグルの潜在的能力は高いのでこの難題をどうやって克服していくかが見物だ。



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