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アップルの音楽、映像戦略

2011-05-05 01:46:11 | 日記

USC (南カリフォルニア大学)の Holman 教授がアップル社に招聘されたという。
いわゆるヘッドハンティングだ 。
彼は劇場等でおなじみのTHXを創り出した人で、サウンドの第一人者だ。

これによってアップルの音楽、映像戦略の一端をうかがい知ることができる。
現在のCDの音質(16ビット)では飽きたらず24ビットHFを提供しようと考えているからに他ならない。
現在の iPod や iPhone ではそこまでの高音質を扱うことが無理なので近未来のデバイスを考えているのだろう。
もちろん iTunes を通じた配信も将来的には当然高音質、高画質をめざしているはずだ。
そのための布石と考えれば納得できる。
これ以上はないという最適の人材だと思う。

80年代にはIBMがハードウェアでIT回を支配していた。
90年代にはいりマイクロソフト社がソフトウェアのライセンス販売でITの雄として君臨した。
その間、アップルはライセンス販売で失敗し大きく屋台骨が傾いていた。
PDAの分野でもニュートンで躓き、パームのような成功を収められなかった。
アイデアはあっても、それを消費者のニーズに結びつけることができなかったからだ。

1997年にスティーブ・ジョブズが復帰して流れが変わった。
それ以来、アップルは世界が何を求めているかを察知してそこに先回りできる会社に生まれ変わった。
それどころか、それらの商品をどのように提供すればよいかを熟知している。
ハードウェアの性能が全てではない。
ソフトウェアを提供するだけでは限界がある。
使い心地、そしてメンテナンスが重要だということを iOS 機器で世の中に示した。

今回の動きもその流れと一貫している。
これからインターネットを通じて提供するコンテンツでは質が問題となる。
その意味で、今回のヘッドハンティングは大きな一歩と言える。