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ニューヨークフィルハーモニック

2009-11-28 13:46:57 | 日記
演目はオネゲルの交響曲第2番とベートーベンの交響曲第3番「英雄」でコントラストがくっきりとしていた。

オネゲルはこれまで聞いたことがなかったので、少し下調べをした。
ニューヨークフィルの20世紀ものは聞くのがつらいことが時折あるから用心のため。

彼の生い立ちを追ってみると、スイスジャーマンとして生まれ、ドイツ音楽(ワグナーやシュトラウス)を勉強した後、若くしてパリに旅立っている。
きっと、田舎から出てきた学生という雰囲気だったのだろうか?
仲間に恵まれ、先輩の音楽家から Groupe des Six と名付けられている。
彼の経歴と当時の社会情勢(ナチスのパリ占領)を見れば、彼の複雑な心理背景が浮かび上がってくる。
彼はフランス6人組といわれながら、フランス以外の要素を備えている。

肝心の交響曲は、奇をてらわないまともなつくりだった。
きっと発表当時は古くさいと言われたに違いない。
それを考慮しても聞きやすく理解しやすい曲だった。
ムーティーがわかりやすく音を創り上げてくれていたからかも知れない。

エロイカの方はこちらの予想を超えた印象深い演奏だった。
8−9年前(マズアの最後の頃)は弦楽器部門の質の低下には耳をふさぎたくなるほどだった。
オペラハウスのオケに比べて雲泥の差を付けられていた。
今回の演奏は、弦楽器がしっかりしており、それが全体の音楽の質を底上げしていた。
NYPを再生させたマゼールに拍手を送りたい。