全国の高専生らが開発したロボットで競う「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2016」(高専ロボコン、全国高等専門学校連合会など主催)で、奈良高専(大和郡山市)が2年連続でロボコン大賞を受賞した。ブロックを積み上げる競技で、この大会の最高記録を出した技術などが評価された。

 今年度の大会は57校の124チームが参加し、全国大会は昨年11月に開かれた。トーナメント方式だが、競技成績とは別に、アイデアや技術などが最も優れたロボットに贈られるのがロボコン大賞だ。

 チームは競技をする3人と、ロボットの整備などをするピットメンバー5人の8人。今回は、障害を越えて「新大陸」というエリアにロボットでたどり着き、3分間にブロックを積み上げて、より高く「砦(とりで)」を築く競技だった。

 ログイン前の続きブロックを積み上げる機体と、ブロックを運ぶ機体の2体で構成する「Δ(デルタ)」で挑戦。上へ順にブロックを積むのではなく、ブロックをアームで持ち上げ、その下にブロックを入れ込む方式。アームの高さが積める高さの限界にならないように考えた。

 リーダーの浜口翔大さん(4年)が設計した。浜口さんは前年も、奈良高専の2チームのうちの1チームとして参加したが、優勝とロボコン大賞の「2冠」に輝いたチームとは別のチームだった。自分が設計したロボットはほとんど点が取れずに敗退した。悔しかった。

 今回は構造をなるべくシンプルにし、製作工程や調整の手間を減らした。複数の可動部分を連動させる調整に難航したが、試作を重ねて完成させた。初めてロボコンに挑んだ1年の宮原康輔さんは「アーム機構の改良など、先輩に指示された部品を懸命に作った」と振り返る。

 初戦の舞鶴高専戦で8段(320センチ)のブロックを積んだ。これが大会最高記録に。練習では9段(360センチ)を達成していたため、挑戦した。砦が完成した時、チームは沸いた。

 だが、3戦目の準決勝、大分高専戦。試合中盤、回路トラブルを起こし、機体がうまく動かなくなった。大会前日の試運転でも起きたトラブル。応急処置はしたが、根本原因がわからないまま試合に臨んでいた。

 何とか緊急整備をして立て直したが、タイムアップ。ブロック1個分、大分に届かなかった。

 浜口さんは来年度も高専ロボコンに挑戦するつもりだ。宮原さんも「次も先輩の力になりたい」。今度こそ、最高性能のロボットを目指す。