白米は"冷やして"食べるのが断然健康的? 知って得する、最新「おコメの栄養学」!
近年の糖質オフブームで、「白米をやめた方がいい」「パンよりもご飯の方がいい」「白米は食事の最後に食べればいい」など、いろんな説が出回るようになりましたね。確かに食べる順番(野菜→タンパク質食品→炭水化物)を守れば、白米を食べても血糖値上昇の心配は少なくて済みますが、近年の研究でもうひとつ、血糖値を急上昇させない食べ方があることがわかってきました。
「食べる順番健康法」は、ずいぶん浸透してきましたが、忙しいビジネスパーソンのランチは、ラーメンやうどん、牛丼、カレーライス、デスクでコンビニおにぎりだけ……というケースも多いと思います。その一方で、糖質を気にするあまり、女性を中心に炭水化物を控えすぎている方も増えてきているようです。
「冷やして」食べると何がいい?
小麦製品には「グルテン」というアレルギー症状を引き起こしかねない物質が入っており、これが小腸の細胞を傷つけることがあります。ほかの食品から摂った栄養分も体全体に回りにくくなるため、諸外国では注意喚起が始まっています。確かにパンや麺類といった小麦製品は、控えめぐらいにしておくのがちょうどいいかもしれません。
ただ同じ炭水化物でも、白米であればグルテンは含まれていません。一方で、“冷めた状態で食べる”白米には、「レジスタントスターチ」という成分が含まれており、野菜などの食物繊維と似た働きをするため、血糖値の急上昇を控えられるということも近年の研究でわかっています。
レジスタントスターチは、炭水化物の「でんぷん質」が冷めた状態の時に現れる成分で、白米のほかに、冷めたパスタや冷麺、冷やしうどん、冷たいポテトサラダなどでも同様の現象が見られます。
このレジスタントスターチ、温かい状態だと存在せず、一度加熱されたものが冷めてくる時に発生する不思議な成分。牛丼やとんかつ、カレーライスなども、アツアツのものをいただくより冷めた状態でいただく方が、太りにくいことがわかっています。
レジスタントスターチは、食物繊維のように、体内をそのまま通過します。老廃物を掃除ながら腸をキレイにし、排泄に向かうため、ダイエットにも適しているでしょう。コンビニ飯をよく食べていらっしゃる方は、冷たいままの状態で食べるおにぎりやお寿司を選べば、血糖値上昇の心配が少なくて済みそうです。
最近はコンビニでも、玄米や雑穀入りのおにぎり・レトルトご飯、お弁当などが並ぶようになりましたね。そういったもののほうが、ビタミンB群、マグネシウムなどのミネラルも多く摂取できて、栄養バランス的には理想的です。どうしても白米じゃないとイヤ!という方は、おかずや具からこれらの栄養を補うようにしましょう。
お悩み別!コンビニで選ぶ“冷たいご飯”メニュー
野菜を摂ることが大前提ではありますが、ときには、どうしても野菜を補えないという場合があるでしょう。そんなときこそ“冷えたご飯”を選んでレジスタントスターチを食物繊維摂取の代わりとし、具から足りない栄養素を補ってみましょう。
ご飯の場合は玄米や雑穀であれ、白米であれ、一度「炊く」という加熱の工程を経ているので、コンビニで買ったおにぎりは温めなおしてから冷やす必要はありません。おにぎりを中心に、ご飯を食べても太りにくいメニューを考えてみましょう。
〈みわ子流、お悩み別のコンビニおにぎり!〉
・集中力アップには?
鮭おにぎり、サバの押し寿司、柿の葉寿司
鮭や青背魚に含まれるDHAとEPAが集中力アップを促します。またこれらの魚介類にはビタミンB6やB12、パントテン酸などのビタミンB群が含まれ、精神安定効果もあるため、緊張を緩和しながら仕事に集中できるでしょう。
・細胞のアンチエイジング、風邪やプチうつの対処には?
海老アボカド巻き、納豆巻き
海老に含まれるアスタキサンチンやカルシウム、アボカドのパントテン酸やオレイン酸、ビタミンE、納豆のナットウキナーゼには、血管をはじめ、脳や各器官の傷んだ細胞を修復する機能が望めます。体全体の血流をよくすると、あらゆる病気予防やアンチエイジングになり、何より脳の細胞を修復できると疲れやイライラ、プチうつ予防になります。
・胃腸を休めたい、食欲がない方には?
昆布巻き、昆布入りおにぎり、梅おにぎり
オフィスにこもりがちだと動かないので、食欲がなく、胃腸が疲れる日もありますね。そんな時はトロロコブのおにぎりや塩コブ入りのおにぎりで「ヨウ素」を補い、だるさや疲労感からの回復を図りましょう。梅に入っているクエン酸も、食欲の回復や胃腸を休める働きがあります。
おにぎりや手巻き寿司は海苔が使われていることが多いので、ヨウ素、ビタミンB群、カリウムで疲労回復、メチオニンやマグネシウムでストレス緩和、そして冷たいご飯のレジスタントスターチで血糖値や血圧の上昇防止、ダイエット効果も期待できます
冷やしたからといって、言うまでもなく「食べ過ぎ」は厳禁ですが、多くのビジネスパーソンのお悩みをカバーできるのも事実。コンビニおにぎりをうまく活用してみてください。