宝物。

ひとり言など

ダークエネルギー…

2015-07-25 06:15:31 | ボッタルガ

一瞬だった…

 

わたしが、命の更新をして

その男性の方に駆け寄ろうとしたその時、

プールの水がざわめき立ち

怒り狂ったように暴れだした。

 

黒い雲が天を覆い、あたりは闇で支配された。

 

ポツリポツリ、雨が降り始めスコールのようになる。

 

まわりの木々は、猛獣のようにうねり

風は、全てのものを破壊していった。

 

プールの水は、膨れて盛り上がり

弾けながらエネルギーを爆発させ

やがて、龍のようになり男性を襲った。

 

その龍は、竜巻となり男性のまわりをぐるぐる回ったかと思うと

身体ごと天へと舞い上がらせていったのだった。


禁断の果実…

2015-07-24 07:47:34 | ボッタルガ

満月を迎えた。

わたしは、命の更新をした。

 

「ふぅ…」

一週間前は、半分の月がのぼる空を見上げ、

溜息をついていたっけ…

 

そして、今日のこの光景は想像もしていなかった。

命の更新などどうでもよくなっていたはずだったのに…

 

半分の月がのぼる空の下、わたしはしてはいけないことをした。

わかっていた…

でも感情に逆らうことは出来なかった。

 

平屋のそばに、大きなバイクと人影が

うっすらと見えた…


からすみ…

2015-07-13 20:02:31 | ボッタルガ

バイクに乗せてもらったお礼にわたしから食事に誘った。

初めは、ただ単にお礼をしたくて誘ったに過ぎなかった。

 

2回めはそのお礼にと男性の方が連絡をくれた。

わたしは少しおかしかった。

 

「それじゃあ、お礼にならないよ。」

と言うと、大きな声で

「いやいや、とんでもない。」という返事がかえってきたからだ。

 

優しい人なのだろう。

会話を重ねていくたびに、わたしの心が溶かされていくように感じた。

わたしが、ふともの思いにふけっていても、雑誌に目を通し

穏やかな表情で時間を潰してくれていた。

 

窓越しの木々がキラキラと輝いて見えた。

 

何気ない会話は、わたしのポッカリと空いた心に

柔らかい色をつけていった。

 

「今度の日曜日空いてる?」

突然、大きな声がわたしに届いた。


シンパシー…

2015-07-13 19:42:43 | ボッタルガ

プレミアム商品券が届いた。

2割増しのお得な商品券である。

これを何に使うかはもう決まっていた。

 

あれから、あの人と2,3回会った。

あの人は時々何かもの思いにふけっていることがあり、

少しさみしくも感じられたが、またそれが自分にとっては居心地が良かった。

 

一緒にいても、心はどこか遠くの方にあると感じることもあった。

神秘的で飽きることがなかった。

好きになった弱みだったのかもしれない。

 

時々何気ない会話をして、笑い合うだけで幸せな気分になった。

昔から知っているような安心感があった。

何も会話をしなくても、落ち着いていられたのだった。


生きる意味…

2015-07-05 22:56:39 | ボッタルガ

今年も、夏の季節がやって来た。

満月の夜に、ある場所に行く。

 

行かなければ、命の更新はない。

今は、もうどうでも良くなった。

 

” 大学を卒業し、医学の道に進む ”

これが、わたしの目標だった。

 

自分の命の更新はそのためにしていた。

こんなわたしも役に立つことができたら、

生きる意味があるような気がしたからだ。

 

どうしたことか、最近は生きる意味など

どうでもよくなっていた。

自分自身にもどうしてそうなったかは解らなかった。

 

投げやりな自分がいた。

命の更新ももうどうでもいいや、と思っていた。