宝物。

ひとり言など

軌跡…

2014-02-14 00:59:36 | 夢想花

思い出した… 

いつも側にいた…

晴れた日も

雨の日も

雪の日も

噴水の隣で見守ってくれていた…

 

だけど、

空は飛べなかった…

屋上からの景色を見ることもなかった…

誰もいなくなった夜空の下で何を思っていたのだろう…

 

そう考えると、わたしの胸は熱くなった…

百年以上この場所で子どもたちを見守り続けている…

 

わたしが最初に入ったのはここだった。

出会った少年は確かにこの中に存在していたのだ。

 

 

風が吹いた…

少年の笑顔が見えた…

 


変貌…

2014-02-13 18:39:25 | 夢想花

「時間が来た。」

 

とわたしに告げた。

 

少年は大きく深呼吸し、少し頷いて手を広げた…

 

すると、細い少年の体は、むくむくと大きくなり始める。

 

腕も足も胸もたくましく力強い形に変わっていった…

 

わたしは、言葉を失ってただただ見上げた。

太陽の光を浴び全身がキラキラと輝いている。

たくましくずっしりとしていて神々しささえ感じてしまった。

 

「夢が叶ったよ、ありがとう…」

 

そう最後に言うと、少年はあるものに姿を変えてしまった…


噴水…

2014-02-12 21:06:06 | 夢想花

階段を降りた…

踊り場でみんなで話した。掃除もした。

すれ違うときドキドキした。それだけで一日幸せだった。

そんなことを思い出しながら一段一段降りる。

 

一階の職員室を横目に見て、そこへは行かずにまっすぐ靴箱へ行く。

「今日の帰り何して遊ぶ?」なんて言いながら

放課後もいつも運動場で遊んでいた…

広い広い運動場も大好きだった…

いっぱいいっぱい遊んだっけ…

 

少年は運動場の片隅にある噴水にちょこんと座った。

わたしも、その隣りに座った。

すると少年は、わたしの顔を覗きこんで優しく笑った…

「懐かしいね」

そういうと、何か決心したように立ち上がり二三歩歩いたかと思うと

わたしの目の前に立ちはだかった。


エンジェル…

2014-02-11 21:40:29 | 夢想花

白い光の塊は、宙に浮かびやがて赤い光に変わっていった…

鼓動は早くなり、もっと震える…

 

すべてが赤になり教室の壁にぶつかりながら私の周りを回った…

ぶつかるたびに大きく膨らみ、発光し回り続ける…

 

そして、最後にそれは私の体の中に入った。

 

衝撃が全身に及び体中が熱くなり震えた。

初めての感覚だった…

心が開放され、浄化されていった。

 

あの、塊は何だったのだろう。

少年は何もかも分かっているかのように

また優しい瞳でわたしを見つめていた。