宝物。

ひとり言など

モグモグ…

2015-07-29 22:06:46 | ボッタルガ

その塊は、ムクムクと大きくなり

片手の中にやっと収まるくらいになる。

 

そして、弾力のあるその塊をもう片方の手で

優しく撫でるように触り、息を吹きかけ、再び両手で包み込むと

浮上し始めた…

 

わたしの手から離れ、眩しい光とともに二つに割れ始める…

中から、今までに観たこともない物体が生まれた。

 

しばらくすると、その物体はゆっくりと下降し、わたしの手のひらに戻った。

 

赤と黄色と青と茶色のその物体は…

 

柔らかくも硬くもなる…

大きくも小さくもなる…

 

わたしの分身…

 

15年後にあの人のもとに届く…

あの人のそばから離れない。

 

ユニークなルックスに隠された実態は、

とてつもなく最強で有能な戦士である。 


カプセル…

2015-07-29 22:00:12 | ボッタルガ

わたしに家族はいない。

わたしが10歳の時に母が亡くなり、父も5年後に亡くなった。

そして親戚の家に住むようになったが、

18歳になった時、自立するために一人になった。

 

一人の生活は快適だった。

小さい頃から何でも自分でできる事は自分でしていた。

だから干渉されない事がこんなにも自由なんだと実感した。

 

働いて自分の稼ぎで生活できることも嬉しかった。

どんなに疲れていても、”生きている”と感じることが出来たからだ。

 

いろんな店で働いて、お金をためて自分の店を持つのが夢だった。

 

わたしの身体…

何かが今までと違う…

光線を浴びた身体は、強化され超能力を身につけた。

 

強く手を握りしめ、ゆっくりと開く。

そこには、小さな光る塊があった。


@@@…

2015-07-28 21:24:20 | ボッタルガ

どうやら、ここは地球ではないようだ。

たくさんのモニターから、地球の様子が映し出されている。

グーグルマップのように遠くから近くから

いろんな方向からいろいろな部分を鮮明に映しだしている。

 

美しい部分から汚れている部分まで

ありのままの地球の姿である。

 

わたしの身体は縛られ、何か照射されているようだ。

赤い光は、太陽の光に似た温かで包み込まれるような感覚である。

そして、青い光は突き抜けるような痛みを感じる。

それが交互に照射されている。

 

何時間…

いや何日…

何ヶ月こうしていたのだろう…

 

赤いランプが消えた…

そして、青いランプも消えた…

それと同時にわたしの身体が開放された。

 

すると、今まで聞こえなかった音が聞こえた。

単調で信号のような音が…

 

どうやら、わたしの細胞は、普通ではないようだ。


奈落…

2015-07-26 05:10:45 | ボッタルガ

ここは何処なのだろう…

 

あの人が、人魚に姿を変え

月明かりの中、命の更新をした。

 

そしてわたしの方を向き、安心したような笑顔が見えた。

 

次の瞬間、暗雲が立ちこめ、

わたしの身体は何者かに縛られ、

ぎゅっと締め付けられたような

感覚に襲われた。

 

もがこうとするたび、何度も締め付けられ、

拘束されていき、身体はいうことを利かなかった。

 

何かが下からまとわりつき、すっぽりと全て包まれ

奈落の底へと突き落とされたような衝撃が走った…


冷たい月…

2015-07-26 04:37:00 | ボッタルガ

風が止まった。

 

遠くの方で、ゴォーという音がした。

 

すると、さっきの出来事が嘘のように静まり返る…

黒い雲はきえてなくなり

辺りが明るくなった。

 

竜巻が通ったところは

全て破壊されていた…

 

何が起こったか、理解できなかった。

わたしは、座り込んだまま

夜明けを待った。

 

寒さで身体が小刻みに震え

やがて、いつの間にか眠っていた…