スラっと伸びた綺麗な足が
地面をける。
手足が長くサラサラの髪の毛が
風になびいていた。
「はぁ…。」
無意識に
走る姿を教室の窓から
眺めていた。
ボーッと見ていると
後ろから
「おおー、また見てるなー
さっさと返事しろ。」
と声がした。
「えっ」
振り向くと、杏子が立っていた。
指を一本たて、いたずらな眼差しで
こっちを見ていた。
「うるさい、これは僕の問題だ。」
はっきり言って、このことに
触れてほしくなかった。
告白されると気になる存在になる。
かといって、すぐに付き合う気にも
なれなかったのだ。
夕日が杏子を赤く照らしていた…