これは、何でしょう…
何かの目?
キラキラしてる…
割れた肌…
少しゴツゴツしてる…
そこ…
触ってみると、まだ硬い。
凸凹の網目。
なんで出来るんだろう…
美味しい印?
初めて、今年育てたメロン。
ふっくら、ふくよか。
これは、何でしょう…
何かの目?
キラキラしてる…
割れた肌…
少しゴツゴツしてる…
そこ…
触ってみると、まだ硬い。
凸凹の網目。
なんで出来るんだろう…
美味しい印?
初めて、今年育てたメロン。
ふっくら、ふくよか。
「ちっちゃっ!!」
思わず口走ると
「何が!!」と杏子は怒った…
沙織はスラリと背が高く、浴衣姿がユリのようだった。
しかし、杏子は七五三のようで千歳飴を持たせたいくらいだった。
バタバタ歩く姿は浴衣を着ていても色気などなく
ヨシヨシと思わず頭をなでてしまいたくなる衝動に駆られる。
「かき氷もういらんからあげる!!」
とポンと渡され「頑張れよ~♪」と
逆に茶化されあっという間にいなくなった。
「お前も頑張れよ!!」
と言いたかったが、言えなかった…
沙織は、目をパチパチさせながら
「相変わらず、杏子さん可愛いね、二人でどこに行ったのかな♪」
と言った。
「千歳飴でも買いに行くんだろっ」と呟くと、
沙織がびっくりしたように自分を見つめた…
ふと我に返り、「いや…何でもない」
と、その場を繕った。
「ドーン、ドーン」と大きな音が続いた。
港から見える花火は、空いっぱいに広がり
自分の上に落ちてくるようだった。
隣で目をキラキラさせながら見ている姿を
何気なく眺めた。
蒸し暑く、汗ばむ…
ソフトクリームは失敗だった。
すぐに溶けてあまり美味しくなかった…
「夏はかき氷に限る!」と言い切る
杏子を思い浮かべた…
「ソフトクリームは失敗だったね…」
という言葉に、「いや…」と返す…
「おいしいよ…」と返す…
「嘘ばっかり」と笑う沙織に
「本当に…嘘だ…」と心のなかで呟いた。
後ろから、「よっ!!」と
思いっきり叩かれ、振り返ると
そこに浴衣姿の杏子が立っていた。
杏子の家は自分の家の近くで、
2階の窓からすぐ見える所に住んでいた。
自分は、夏になると窓を開けていることが多く
流れ星が多く見られる時には
夜空を見ながら眠っていた。
杏子の家の窓にふと目をやると
今まで明るかった部屋の灯りが消え
杏子も眠るんだな、と思った。
そして、きっと同じ夜空を眺めているんだろうな…
と思った。
幾つもの流れ星が放射状にみられ、
キラキラと輝く星たちをいつまでも眺めた。
明日はどんな一日になるだろう…
幼なじみの杏子も付き合い始めた沙織も
同じ夜空を眺めていた。