宝物。

ひとり言など

よいお年を…

2014-12-31 21:36:48 | ひとり言

先ほど、今年最後の食事をみんなでしました。

お風呂にも入ったし、後はのんびりと新年を

迎えたいと思います。

 

午年さようなら。

 

ありがとう。

 

よいお年をお迎えください。  

 


川瀬巴水(湯宿)…

2014-12-29 00:00:48 | アーティスト

奥に入っていくにつれ、澄んだ空気に包まれ

気持ちが良かった。

 

乗り物はガタガタと揺れ、そのたびに肩が触れ合った。

木々は紅や朱色、黄色に染まり幾重にも重なり合っている。

 

その山の谷間を清らかな川がくねりながら流れているのを

二人で見た。

穏やかに、時にしぶきをあげ激しく落ち姿を変えている。

 

そんな景色を堪能し、ようやく辿り着いた。

 

湯に浸かり浴衣に着替えた。

湯宿の窓から、さっき通ってきた山々を眺める。

体の芯まで温まる、いい湯だった。

 

ふと、もうすぐ湯から上がり、座るであろう座布団に目をやる。

わたしは、二人分ゆっくりとお茶を注ぎ

その一つを座布団の横に置いた…

 


川瀬巴水(満月の夜)…

2014-12-28 21:58:02 | アーティスト

弟の寝息がスースー聞こえる。

わたしは、布団からそっと出て

土間に降り、木の戸を静かに開けた。

 

真夜中だが昼間のようにすべてが見渡せた。

空を見上げると、柔らかな白い雲の割れ目から

キラキラと輝く満月が見えた。

 

高鳴る気持ちをどうすることも出来ず

早足でわたしは磯に向かった。

 

波は穏やかで、かすかに風が吹いていた。

船のそばで身を小さくして待っていると

足音が聞こえてきた。

 

着物の裾から、白い足がチラリと見え隠れし

こちらに近づいてくる。

 

わたしは立ち上がり、少し高揚したあの人の

柔らかな手を取り、船に乗り込んだ。

 


川瀬巴水(海)…

2014-12-28 10:38:13 | アーティスト

急に視界が広がった…

 

強い風が吹いていて、

磯の香りがした…

 

短い髪の毛は立ちあがり、足が震えた。

わたしは、母の手をギュッと握りその風景の中に身を投じた。

 

ザワザワと押し寄せては胸に飛び込んでくる。

大きくうねり、リズムを刻み

白い泡となって消えていく…

 

恐れと不安と安心と

奮い立つような感情が複雑に絡み合いながら

体中の細胞が何かを感じていた。