現在は霧氷の一種を樹氷とよぶが、以前は木の枝などに付着する氷の総称であった。
また、現在は樹霜と名づけられるものを樹氷とし、それ以外を霧氷とする人もある。
樹木や地物に付着する氷は、地方によっていろいろな呼び名がある。
九州雲仙岳(うんぜんだけ)の名物とされる「花ボロ」は、樹氷のこともあれば
粗氷のこともある。長野県の「木花(きばな)」は、むしろ樹霜に近い。
新潟県ではこれを「しが」とよぶ。樹氷ができる条件は、風が強く雲霧が去来することである。
樹木についたものが大きく成長すると、形の特徴からモンスターmonsterとよばれる。
東北の蔵王山(ざおうさん)のモンスターが著名であるが、
冬の季節風に伴う雪まじりの雲霧が長時間にわたって、風上側斜面に生えた
アオモリトドマツなどに吹き付ける際にできる。富士山頂にみられるものは、
春先の南西風の悪天のときに成長して厚い粗氷性の着氷になる。冬の季語。(引用)