「ちっちゃっ!!」
思わず口走ると
「何が!!」と杏子は怒った…
沙織はスラリと背が高く、浴衣姿がユリのようだった。
しかし、杏子は七五三のようで千歳飴を持たせたいくらいだった。
バタバタ歩く姿は浴衣を着ていても色気などなく
ヨシヨシと思わず頭をなでてしまいたくなる衝動に駆られる。
「かき氷もういらんからあげる!!」
とポンと渡され「頑張れよ~♪」と
逆に茶化されあっという間にいなくなった。
「お前も頑張れよ!!」
と言いたかったが、言えなかった…
沙織は、目をパチパチさせながら
「相変わらず、杏子さん可愛いね、二人でどこに行ったのかな♪」
と言った。
「千歳飴でも買いに行くんだろっ」と呟くと、
沙織がびっくりしたように自分を見つめた…
ふと我に返り、「いや…何でもない」
と、その場を繕った。