宝物。

ひとり言など

塩パン…

2014-11-17 01:45:56 | おいしい

生地に四角く切ったバターを挟んで、くるくる巻いて

20センチ位に細長く焼き上げている。

パンの表面には粗めのお塩が少々。

 

5分に一回くらいのペースで100個位が焼きあがる。

焼き上がりまで、ワクワクしながら順番に並んで待つ。

 

「塩パン焼き上がりましたー。」

 

と元気のいい店員さんの声とともに

熱々で、皮がパリパリ言いながら今にも弾けそうな

ふっくらとしたパンが運ばれる。

 

生地からバターが溢れだしている。  

 

小麦とバターのいい匂い 

 

外はきつね色でパリパリ。

中は真っ白でフワフワ。

ほんのりと塩が効いていて

癖になる美味しさ。

 

いろんな人を虜にする

シンプルだけど素敵なパンです。


エチュード…

2014-11-13 19:17:15 | アーティスト

「スジナシ」

ゲストの俳優さんが一つのセット内で即興ドラマを

十数分間演じ収録したドラマを観ながら反省会をするというもの…

 

数日前、テレビで放送されていて、なんとなく観ていたら、

これがとんでもないものだった。

 

その日のゲストは染谷将太さん。

設定は、バイク屋。

初めは鶴瓶さんが中にいて、染谷さんが自転車で入ってくる。

「昨日はご馳走様でした。」と染谷さん。(そのセリフで二人の関係性が決まってしまった。)

すぐに、服をどんどん脱ぎ始め作業着に着替える染谷さん…

大御所の鶴瓶さんを相手に誘導し続けていた。

ストーリーも意外な方向に進んでいく。

最後は、鶴瓶さんが「目的は何なんだ…!!」

と言い残す。

ミステリアスな感じで終わった。

ものすごく引きこまれてしまった。


バジル…

2014-11-10 18:44:41 | 

低いエンジン音が聞こえ、ドアの開く音がした。

「おはようございまーす。」と元気のいい先生の声と共に

子どもは、バスに乗って幼稚園へと出かけた。

 

わたしは、少しずつ記憶を取り戻しながら

以前の生活をするようになった。

 

病院に入院しているときは、記憶が曖昧で

何度も同じことを聞いていたようだった。

しかし一度もとがめることなく、少し笑いながら

初めて聞いたように優しく答えてくれる妻に

本当に助けられた。

 

家に帰ってからは付き合っていた頃の写真や

結婚式の写真を二人で見た。

そして、大きなお腹に顔を寄せている自分や

生まれたばかりの少しぼやけた息子の写真も見た。

その時わたしは、声を出して泣いたと言っていた。

 

何もかも失ったと思い、妻に居場所を告げることなく

いなくなったわたしを攻める気持ちもあっただろう。

 

失ったものは大きかった。

しかし、失っていないものも大きかった。

また、1から始めよう…

慎ましい生活なら何とかやっていける。

 

以前の会社が生きがいだと思っていた自分は

もう他人のように遠い存在に変わっていた。

 

白いレースのカーテンが風に揺らめいた。

 

 

バジルの葉っぱについた、こぼれ落ちそうな雫が

キラキラと輝いているのがチラリと見えた。

 

 


白と水色…

2014-11-09 18:10:37 | 

再びわたしは目を覚ました。

うっすらと白い天井が見えた。

 

「うう…。」思わず声を出してしまった。

 

すると「大丈夫?」

懐かしい声が横で聞こえた。

 

頭をゆっくりと少しだけ動かし、その女性を見た。

顔は少しやつれていたが、瞳の大きな綺麗な人だった。

 

薄い水色のTシャツは、なだらかな曲線を描いていて

白のスカートはわたしの目に眩しく清楚な感じの人だった。

でも誰かは思い出せなかった。

 

誰だろう…この女性は…

 

 

「記憶がないのね…無理に思い出さなくていいよ。

今はゆっくりしてね。本当に無事でよかった…

いっぱい心配したよ…」

 

その女性はやさしく笑いながらそう言った。

 

しかし潤んだその瞳からは涙が溢れ

雫が白いスカートを濡らしていた…