再びわたしは目を覚ました。
うっすらと白い天井が見えた。
「うう…。」思わず声を出してしまった。
すると「大丈夫?」
懐かしい声が横で聞こえた。
頭をゆっくりと少しだけ動かし、その女性を見た。
顔は少しやつれていたが、瞳の大きな綺麗な人だった。
薄い水色のTシャツは、なだらかな曲線を描いていて
白のスカートはわたしの目に眩しく清楚な感じの人だった。
でも誰かは思い出せなかった。
誰だろう…この女性は…
「記憶がないのね…無理に思い出さなくていいよ。
今はゆっくりしてね。本当に無事でよかった…
いっぱい心配したよ…」
その女性はやさしく笑いながらそう言った。
しかし潤んだその瞳からは涙が溢れ
雫が白いスカートを濡らしていた…