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金魚日和

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しゃぶしゃぶ VS すき焼き

2012年11月20日 | 料理・食べ物

Nikon D90 + AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-70mm F3.5-4.5G

my家ではよく『しゃぶしゃぶ』をする。

と書くと、「さすが貴族」「ブルジョワ爺」「牛の敵」などの言葉が聞こえて来そうだがさにあらず。
肉の量とクオリティにさえこだわらなければ意外にリーズナボーに抑えられるのが『ご自宅しゃぶしゃぶ』だ。
myの家しゃぶしゃぶは『少量の肉で米と野菜を食う為の献立』なのだ。

因みに『あしたの為に【その1】ジャブ』は、丹下段平さんが矢吹ジョーさんに送った有名な手紙の一節だ。

肉を泳がす隙間が無い位大量の野菜が浮かぶ鍋は、単なる『ごまダレで食べる鍋料理』であるばかりか、
申し訳程度の肉量から、「本当は牛思いの一家」である事を証明する材料でもある。

そんなわけで、『しゃぶしゃぶ風鍋』が幅を利かすmy家では、『すき焼き』をする機会が皆無だった。


数ヶ月前、ひょんな事からすき焼ることになり、
ガスレンジ&フライパンで肉焼いて砂糖ふってワリシタかけて野菜投入したものを食卓に運んだところ、
異常なまでに反応したmy娘。以来、すき焼き大好き人間になってしまった。
なんかこぉ、、、『ご馳走』に対する価値観が昭和っぽくって不安になる。
今では坂本九ちゃんを敬愛する外国人並の頻度で「スキヤキスキヤキ♪」言っている毎日だ。

何度かガスレンジ&フラ(略)を食卓まで運ぶ宴を開催したのだが、
《いちいち運ぶ→食べる→また焼く→運ぶ》を繰り返す事が面倒くさくなって来たので、ホットプレートを買うことにした。

ホットプレート。
なんかこぉ、、、その存在そのものが昭和っぽくって哀しくなる。

何度言っても治らない「エイデン社 by my妻(今はエディオン)」でホットプレートを購入し、
その足で大手スーパーに肉を買いに走った。
『しゃぶしゃぶ風鍋クオリティ』で選択した牛肉は、『すき焼き用和牛』と『こまぎれオージービーフ』。
はやる気持ちを抑えながら、一家は帰路った。


コンセントを挿し、昭和な電気調理器具のスイッチを入れる。
プレートが温まるのと同時に、独特のニオイが立ちこめる。…嗚呼、なんだかすっごく団地っぽい(違

『すき焼き用和牛』を並べ、砂糖ふってワリシタかけて野菜投入したものは極めて美味であった。
これぞすき焼。これぞ昭和。
あっと言う間に和牛はいなくなり、オーストラリアからのお客様をお迎えすることになったのだが、、、

これが 大  失  敗

しゃぶしゃぶなら気にならなかったかもしれないオージービーフの欠点:
・独特のニオイ
・旨味の少ないお味
・日本語が通じない
を強調してしまうことになり、先程までの『すき焼きハッピーモード♪』から一転、
リビングは『すき焼きマッドマックス』へと突入してしまった。恐るべしオージー魂。。。


結論:すき焼きに安い肉を使うのは、『おすぎとジーコ』位間違っている
  


郷土料理と天ぷら

2012年11月05日 | 料理・食べ物

Nikon D90 +AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

 

谷垣内さん。

読み方を知らなければどう逆立ちしたって読めっこ無く、ソレが『苗字』であることさえ疑わしい字面の『谷垣内』。
訓読みだと「たに/かき/うち」と読むこれらの漢字が合わさると、『メルティ・キッス』と読むのだから日本語は不思議だ。
いやいや、そんな嘘八百を素直に信じる人がいたとしたら、その人の存在そのものが不思議だ。

「たにがいと」と読むこの苗字は、高山市に多いお名前なのだとか。
他にも『殿垣内/とのがいと』さんや『上垣内/うえがいと』さん、『課長はスピーチがな垣内不評』さんなどがいるらしい。
またまたっ  部長の長さにはかないませんよ。


先週末の土曜:文化の日、谷垣内さんがつくる料理を食べに、名古屋市東区にある『月の庭』さんにお邪魔した。
ご主人の出身地である高山の郷土料理と、
これまた高山の野菜・山菜をふんだんに使った天ぷらが食べられるお店だ。

「とにかくランチがお得でおすすめ!」と聞いたらそりゃー行くしか無いでしょ、ランチ食べに。
午前11時、開店時間きっかりに店に着くと、『日曜・祝日は夜のみの営業』である旨の張り紙が出迎えてくれた。
一瞬、暴れ出しそうになったのだが、警察に被垣内どけを出されてもかなわないので大人しく引き返し、夜に出直した。


そこまでこのお店にこだわったのには理由がある。
勿論「美味しい」と評判の天ぷらをいただくことも目的だったのだが谷垣内さん、現代アートのコレクターでもあるのだ。
多くの作家ズから愛されているこのお店、しばしばギャラリーとしても利用されることがあり、
今現在はこのお店に馴染み深い作家10人が集まり『パレード in 月の庭』というグループ展を開催している。
myブログのコメント欄でもお馴染みの面々が出展しているこの展示を観に行くことが真の目的であった。

のだが。

花より団子のmy一家、作品そっちのけで料理に没頭してまいりました◎
『食前酒/前菜盛合せ/生湯葉&お刺身/茶碗蒸/焼物/海老と季節の天麩羅/御飯、赤出汁、お漬物/デザート、珈琲』
という盛り沢山な会席コース。
これに「作家ズのお友達だから」ということで
『イチジクの前菜/生湯葉大盛り/谷垣内母様手摘みのヨモギの天ぷら/マル秘天ぷら』までサービスしていただいた。
どれもご主人の人柄がにじみ出た、飾らないお味のあたたかなお料理ズであった。

18時の開店と同時に入店したmy一家が会計を済ませたのは20時30分。
楽しい時間は、い垣内はやく過ぎる。
満腹一家が席を立とうかと言う時にご主人 said:「そうそう、面白いものがあるんですが、まだお腹に入りますか?」

そうして出していただいたものが『マル秘天ぷら=松永のしるこサンドの天ぷら』である。

『松永のしるこサンド~あずき餡をビスケット生地で挟んで焼き上げたお菓子』は東海地区限定の食べ物だと思うのだが、
「天ぷらで食べる」となると聞いたことがない。
カリっとしたビスケット生地は、油をくぐることでしっとりとした食感になるのだが、面白い発見である。
さぞかし開発の裏には料理人としての苦労があったのだろうと話しを聞いてみてびっくり。

なんでも谷垣内さんのお宅では、それが普通の食べ方だったらしく、
大人になり、社会に出てはじめて『谷垣内家オリジナル食品』だと知ったと言うのだ。

どこのご家庭にも「ウチだけの変わった食べ方」の一つや二つはあると思うのだが、
『松永のしるこサンドの天ぷら』だけは谷垣内家限定であろう。


満腹過ぎてコンビニで2回トイレを借りながら帰宅した。
  


「お刺身」と「お造り」

2012年10月27日 | 料理・食べ物

Nikon D90 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G
  

加熱していない魚介類を一口大に切った料理、刺身。

my定義において『おかず』とは《米を食う際のサポート役》を意味する。
乳幼児の頃から一貫して酒を呑まない自分には、
サポート力の低い『刺身』は、『おかず』としては少々ありがたくない一品だ。
  

今でも夕食のメインが刺身だったりすると「…これでどうやって飯を食えと言うのだ」、と途方に暮れたりする。
が、口に出して抗議すると、途方に暮れるどころか家を追い出されて路頭に迷う可能性があるので何も言わない。


仕事柄、飲食店のメニューをつくる機会が多い。
その際、『お刺身』とするか『お造り』にするかで迷う事があり、それらの語源について調べてみたことがある。

それによると、
武家社会では「切る/刺す」という言葉を忌み嫌った為に「つくる」という言葉を代用するようになったらしい。
中には、
《正確には『造里』と書き、皿の中で『里』の風景を『造る』ことに由来する》と書いてあるところまであった。
大根の千切りが『山』をあらわし、大葉は『林』、刺身は『人の住む場所』を表現しているのだとか。ホントか?
なんか納得いくようないかんような話しである。


画像は10月の初旬、コチラのお店で撮ったもの。
で、次。コチラの画像をご覧いただきたい。昨年の9月に同じお店で撮った『お造り』である。

先の理論では《山も林も無い人口密集地を表している》この一皿、見事なまでに同じ盛り付けだ。
皿の柄に対しての位置/配置まで同じ。 
…なんか色んな意味でビックリするなぁ、、、ってしませんかそうですか。
  

結論:『お造り』を「おぞうり」と読むmy娘にもビックリする
  


秋の味覚

2012年10月10日 | 料理・食べ物

セレブ懐石:続き
Nikon D90 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G


揚げた素麺をジャガイモに突き刺して“いがぐり”に見立てた『焼き栗』、
『茹で車海老』、『里芋』、『トコブシの旨煮』、大林素子は馬似、
「ばぶぅ~」もしくは「はい~ぃ」あるいは「ちゃ~ん」そして『イクラ』、などが一堂に会した豪華な一皿。

この“全日本女子バレーボールチーム&波野家連合的オールスターキャスト”の中にあって
立派に主役を張っていたのが『焼き栗』である。

たかが焼き栗。されど焼き栗。
この焼き栗を前にしては、タイ子さんとて長男放りっぱなしであろう。  「ちゃ~んっ!」

一見何の変哲もないこの栗、確実に“ただ焼いただけ”では無い美味しさを湛えている。
さりとて“ただ素材が良いだけ”では無い調理技術の高さも透けて見えるのだが、
何が施してあるのか皆目見当がつかない。
経験したことのない甘さと香りを伴った『焼き栗』なのだ。

他にも美味しいものは沢山あったのだが、
“驚き”、という点に関して言えばこの焼き栗が一番であった。


そんな“3メートルの打点から放たれる素子の強烈なスパイク”的な話しはさておき、
栗にまつわる思い出話しパート2。

数年前、my娘が通っていた『幼児英語教室』にて。

先 生:「英語で『ぶどう』はナンと言うでしょ~^^」
子供A:「はーい!グレープ!」
先 生:「よくできました^^では次はちょっと難しい問題。『梨』はナンと言うでしょ~」
子供ズ:「・・・。」
母親B:「ペアー♪」
先 生:「よくできましたー!さすがBママ^^ではもう一問。『栗』はナンと言うでしょ~」

よそのママが誉められたことに対抗意識を燃やしたmy妻、猛然と、挙手。
 
my妻:「はーい先生!はーい!『マロン』です!」
先 生:「ぶぶー。残念でした。『マロン』はフランス語です。英語では『チェスナット』ですねー^^」

my妻:(; ゜   Д    ゜ )


結論:my娘、もうすぐ英検3級の試験です
  


栗きんとんの思い出

2012年10月09日 | 料理・食べ物

【中津川市・和菓子処『しん』の栗きんとん】
Nikon D90 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G
  

岐阜県および近県に住む者にとっての『栗きんとん』。
それは『砂糖を加えて炊き上げた栗を茶巾で絞った和菓子』の事を指す。

まれに『坊主頭の教頭先生のあだ名』だったりもするのだが、
まず間違いなく、画像の和菓子を思い浮かべる人が多勢派であろう。

一方、その他の地域にお住まいに方にとっては、
おせち料理における『栗金団~練り餡~』の方が馴染み深いモノだと思われる。
で、今回は『栗きんとん』の方のお話し。
  

幼少の頃より料理好きだった自分は、
中二病を患う頃には立派なシェフ気取りになっていた。
 
「てめーこらタコこら!また成績下がったらしいなタコこらっ!」と怒り狂うmy父に向かい、
「ウィ、ムッシュ♪」
と言って火に油を注ぐような炎のマイスターだった。

※my父は長州力ではありません

裕福では無かったmy家庭、当然高級和菓子である『栗きんとん』なぞ買えやせぬ。
でも猛烈に食べたくなった自分は、天津甘栗を利用して『偽栗きんとん』をクックることを思いついた。

※クックる=鳩を飼うことではありません

甘栗の皮を剥き、すり鉢で砕く/すった後、
my母のタンスから適当なハンカチを借用してきて見事茶巾った。
自慢気にmy母に見せたところ、複雑な表情を浮かべながらも喜んでくれた。

*複雑な表情とは『泣く女/ピカソ』的な顔ということではありません
  

中学校で授業参観があった時の事。
その日は参観の終わりに、各親が『my息子・娘はこんなトコロが素晴らしい』を発表する事になった。

「真面目に勉強している」「お手伝いをよくしてくれる」「無遅刻無欠席」などのそれらしい発言が続く中、
「先日、甘栗をつかって栗きんとんを作ってくれました/料理好きの息子です」と言ってのけたmy母。
中二病患者に対し、これ以上ない屈辱を浴びせかける発言をして場の雰囲気を和ませたのだが、、、

…他に誉めるところはなかったのかママン、、、。

  

後日、茶巾に使ったハンカチは、
my母が所有する唯一の『高級シルクハンカチ』であったことを打ち明けられた。
  

結論:ごめんよ、ママン