中国、反体制作家に懲役11年判決 締め付け姿勢誇示
【北京=佐藤賢】中国の北京市第1中級人民法院(地裁)が25日、反体制作家の劉暁波氏(53)に国家政権転覆扇動罪での懲役11年の実刑判決を言い渡し、中国当局は民主化運動の締め付けを強化する姿勢を誇示した。一方、米国務省が判決に対して「深い懸念」を表明するなど、人権問題が国際社会との火種として再燃しつつある。
劉氏は中国共産党の独裁廃止などを求めた「08憲章」の起草にも参加した中国の民主化運動の象徴的存在。中国では住宅立ち退き問題や失業などで民衆の抗議行動が頻発しており、民主化運動と連動すれば、共産党の一党支配を揺るがしかねない。劉氏への重罰は、体制維持への共産党の強い危機感を浮かび上がらせた。
中国国営の新華社は判決を英文では報じたが、中国語の記事は配信していない。海外向けには透明性がある姿勢を示す一方、国内向けには当局への反発を招かないよう情報を統制している。インターネット上で発表された08憲章も大半が削除されている。(25日 22:02)