しのぶwaves

有馬忍 ライブ情報 日々記

王様の枕 17

2005-07-07 08:20:14 | 物語
少年とエルマーちゃんはこっそり宮殿にしのびこみました。宮殿の中は灰色に変色しているものの
シンと静まり返っていました。ウィニーに聞いた通り、食堂の階段を下りた右手の扉が、秘密通路の入り口だ。2人は足音を忍ばせて暗い部屋に足を踏み込んだ。通路はひんやりとした空気で不思議と薄明かりで足元が見える。壁際に蝋燭が灯っているようだ。足元は大理石の廊下がひんやりとした空気をなおさら増して行く様に続いていく。突然行く手の道が二手に分かれて2人は顔を見合わせて迷いました。その時です、二手に分かれた道の左手の方から、話し声が聞こえました。
「お前の、そのアホ頭のせいだす、せいだす、まった間違えちまっただす、だす。」
「この、ばかでか頭の人のせいにするズルズルズルイ男のくせに、偉そうな口きくでねーだすだす」
2人は、元来た通路の暗がりに身を寄せて息を詰めて待ちました。現れた声の主は、灰色のマントを頭からすっぽりとかぶった2本足で歩くへび男で、マントの下から白い尾っぽがクネクネと大理石を這いながらしゅるしゅると音を立てていました。マントの中の顔は、暗くてよく見えませんでしたが、見えなくて良かったと少年とエルマーちゃんは同じことを考えていました。
2匹のへび男が右の道へ通り過ぎるのを待ってから、2人はそっと、その後をつけていく事にしました。ヘビ男達の言い争いを聞きながら、彼らに任された任務を理解したのです。
それは、この様な内容でした。

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