ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

「イノベーション=技術」にあらず

2007-04-09 08:39:47 | 企業戦略
 今日の日本経済新聞の「領空侵犯」のインタビュー記事が面白かった。
 島津製作所会長矢嶋英敏氏のインタビュー記事である。タイトルは、「『イノベーション=技術』にあらず」で、サブタイトルが「総合力勝負まず人材から」である。

 矢嶋会長曰く、「先端的な技術革新が不可欠で、そのタネになる発明や発見が求められる。だが、せっかくの革新的な技術が事業化に結びつかない。事業化に成功し、企業業績や国の発展に貢献してこそイノベーションなので、技術革新だけでは足りない」とのこと。
 まさに然りである。
イノベーションの本質

日経BP社

このアイテムの詳細を見る

 確かに、これまで人類の歴史を大きく塗り替えてきている出来事の影に「発明や発見や技術革新」が厳然とあることは間違いない。イギリスの産業革命然りである。それを人類が使い、文明の発展に貢献できるような形にする努力がなければ、「発明や発見や技術革新」も単にそれだけのコト、あるいは、モノでしかないと考える。
 矢嶋会長が指摘しているのは、「技術革新」、「商品化する努力」、「販売力=マーケテッィング力」が、三位一体となって市場で受け入れられたはじめて「イノベーション」と認識できるということである。
 つまり、サブタイトルの「総合力勝負」は、その三者が三位一体的に融合することが必要であることを示している。

 矢嶋会長は、もう一点、「総合力勝負」には、世界文化の多様性の中でも勝負できるような、人材能力が必要で、「総合力勝負まず人材から」と、「人材能力」の問題を指摘している。
 つまり、三位一体的な融合に向けて、技術革新分野、商品化分野、販売力分野の各分野それぞれに、人材能力が必要であると指摘し、高度な人材能力教育が不可欠であるとしている。

 今、日本の教育システムはうまく機能しているとはいえない。
 多様な能力を育む公的な教育然り、また、特異な能力を育む教育システム然り、教育のあり方を見直し、しっかりとした教育システムをこの国にビルとインしていく必要性を感じる。

最新の画像もっと見る