nikkei BP net 6月10日付記事を取り上げる。
記事タイトルは、「ガラパゴス現象」である。記事タイトルにリンクを張っておくので、興味のある方はチェックしてみるとよい。
タイトルに驚いた。同時に、「ガラパゴス現象」って一体何、ということで目を奪われた次第である。
記事は、新語ウォッチャーでNPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス理事、もりひろし氏により寄せられているものである。
もり氏は、「現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している」とのことである。
この「ガラパゴス現象」は、最近、「情報通信系メディアで頻出している表現で、日本企業の技術やサービスが、日本市場の中だけで高度に発展してしまう様子を言う」とのことである。さらに、「日本市場で高度に発展してしまうため、日本の技術が逆の特殊化してしまい、世界市場標準とのずれが生じ、日本企業が海外に展開していけない状況」がでてくるとのことである。
技術の高度な発展はあり得べしとしても、世界市場との乖離が発生してしまうのは問題がある。
企業戦略の面からも、検討する必要があるのではないかと考える。
記事の一部を引用しておく。
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記事引用
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![](https://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/080610_01.jpg)
(イラスト:小林商事)
最近、情報通信系メディアで、「ガラパゴス現象」との表現が頻出している。日本企業の技術やサービスが、日本市場の中だけで高度に発展してしまう様子を言う。その間、世界市場では標準的な技術やサービスが普及。日本企業の技術やサービスが特殊化する。その結果、日本企業の海外進出が難しくなるばかりか、日本市場の危機も招いてしまうというのだ。
話の前提として、ガラパゴス諸島について振り返りたい。ガラパゴス諸島とは、南米エクアドル沖の太平洋上に浮かぶ群島のこと。大陸と離れた環境なので、ここには独自の進化を遂げた生物(固有種)が数多く存在する。例えばガラパゴスゾウガメやウミイグアナなどは、この地域にしか存在しない。
ところがこのような固有種は、外界と接触することで危機にさらされる場合がある。実際ガラパゴス諸島でも、人間の流入が原因で固有種の絶滅危機が起こった。例えばガラパゴスゾウガメは、18〜19世紀の乱獲(捕鯨船の食糧確保)などが原因で個体数が激減している。
絶滅危機への過程は次のように説明できる。まず内界では「特殊進化」が起こる。だがその間、外界では「一般進化」も起こる。そしてある時期に内界と外界が接触。内界の生物は外界に適応できないため、絶滅の「危機」に瀕する。外界の生物の方が数も多く、生存競争に強いからだ。これをまとめると「特殊進化」と「一般進化」のぶつかり合いが「危機」を生む構図となる。
実はこれと全く同じ構図が、日本の情報通信産業に当てはまる。日本国内で技術やサービスの「特殊進化」が起こる一方で、世界では「一般進化」が起こっているという構図だ。その結果、日本企業は世界市場に進出できないばかりか、日本市場を失いかねない「危機」にも直面する。
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Written by Tatsuro Satoh on 11th Jun., 2008
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