日本経済新聞12月7日付43面で、「神戸ルミナリエ」開幕との報道がなされている。タイトルは、「鎮魂・希望の灯守れ」であるが、もうひとつ「風前の…灯」と記述してある。
神戸ルミナリエは、阪神淡路大震災の犠牲者6434人を追悼し、復興への思いを込めた光のイベントとして、1995年末に第1回目が催され、今年で13回目である。
しかし、5年ほど前から企業の協賛金や募金が減少し、警備に莫大な費用がかかることも含めて、収支が急速に悪化。来年以降の存続が危ぶまれているとのことである。
主催者は「追悼と希望の灯を守りたい」と訴え、今年から会期を2日間短縮、来場者に「一人百円募金」を呼びかけているとのことである。
阪神淡路大震災を直接体験した一人として、毎年400-500万人が訪れる神戸の一大イベントであること、また、タイトルにもあるように「鎮魂・希望の灯守れ」との観点から、継続を期待したいところである。
年が明けて、2008年1月17日には、13回目の「震災の日」を迎えることになる。
当時8歳及び3歳であった長女、次女も大きく成長し、それぞれ、大学3回生、高校1年生になっている。
しかし、他方で、多くの子供たちの命も奪われ、そうした子供たちを失った人々にとっては、「辛い思い出」のみが心の奥底に沈殿していることになる。
組織委員会によると、「震災10年を境に関心が薄れた」ということのようであるが、震災体験の風化を避け、「鎮魂・希望の灯守れ」との思いが貫かれて欲しいものだと感じる。。。
Written by Tatsuro Satoh on 9th Dec., 2007
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