ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

長嶋茂雄氏の「私の履歴書」から

2007-07-10 12:20:06 | スポーツ

 (長島茂雄氏イメージ)

 日経最終面の「私の履歴書」欄で、7月1ヶ月間を通じて長嶋茂雄氏の履歴書が掲載されている。ミスタージャイアンツの履歴書ということで、毎日楽しみに拝見させてもらっている。
 私の記憶に間違いがなければ、長嶋さんは、昭和49年、1974年のシーズン最終戦だったかの後楽園球場で、目に涙を浮かべつつ「(私は今日で現役生活を閉じるけれども…)我が栄光の巨人軍は永久に不滅です」との言葉を観客の前で残し、現役生活に幕を閉じた。

 私自身は、埼玉県生まれの埼玉育ちで、地域柄、当時の流行言葉で言えば、いわゆる「巨人、大鵬、玉子焼き」世代である。従って、私の、前職への就職1年目に当たる1974年の「長島引退劇」は記憶の底に鮮明に焼き付いている。
 その長嶋・王時代に至る前段、立教大学時代の「鬼」の砂押監督の猛特訓に係わる話、また、砂押監督が長嶋さんに期待したこと等が、今日、7月9日付履歴書で取り上げられており、面白く拝見させてもらった。
長嶋茂雄―永遠不滅の100伝説

テーミス

このアイテムの詳細を見る

 面白かったのは、砂押監督が、「君は…各球団のオーナーからぜひうちにという話があるが、君は日本じゃなくメジャーでやったらいい。おれはメジャーにいっても十分にやれるだけの力、体力、技術を1年半近くやってきたつもりだ…」と述懐した場面である。
 また、砂押監督がニューヨークヤンキースの伝説の選手ジョー・ディマジオのバッティングの連続写真を見せて、「こういう風にステップして、こうバットスィングして角度はこうだろう。それを支えるヒザと腰の使い方はこうやるんだよ」と、何かにつけてメジャー選手の話をしているところも面白い。
 長嶋さんは、走攻守のみならず、人間性も含め三拍子も四拍子もそろったこのバッターのとりこになったとのことである。
 砂押監督の指導法は、打撃理論のみならず、守備のステップや、グラブさばきまで及び、実に合理的で、大リーグの最先端の技術を取り入れたものであったとのこと。
 やはり、「この砂押監督があって長嶋さんのような選手が生まれた」、ということになるのだと思う。
いわゆるひとつの長嶋茂雄語録

早稲田出版

このアイテムの詳細を見る

 この7月9日付履歴書で、もう一点興味をひかれた箇所がある。
 それは、長嶋さんの言葉になるが、「私は、人生は表現力と思っている。プレー以外のどんなときでも観客のすべての視線をひき付けようと意識した。見られる方はいつも集中してさらにプラスアルファーの力が生まれるものだ」というところである。
 ある意味で、私たち一般人にも当てはまるところである。
 私たちも、それぞれの人生において、仕事を通じ、また、それぞれの職分において、各々役割を演じることになる。
 その際、それぞれの職分を果たそうとする場合に、自ずと説得力が必要になる。説得力は、すなわち、表現力の結果でもある。
 確かに、長嶋さんのパフォーマンスには感心する場面が多々あったように記憶している。そうしたパフォーマンスが、長嶋さんの「人生表現力」との哲学に根ざしているとすれば、それと同じことが、とりもなおさず私たち一人ひとりの人生にも当てはまることになると感じる。
 そんな長嶋さんに、これからも頑張って「長嶋さんご自身の人生を演じてきってもらいたい」ものだと感じている。。。
 Written by Tatsuro Satoh on 10th July, 2007

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (ふわく)
2007-07-10 20:45:00
佐藤様

高樹さんのブログから、このブログにたどり着きました。はじめまして・・・・突然の書き込みをお許しください。また、匿名であることも・・

長島さんの「表現力」が、しっかりした意図のもとに表現されていたのは、初めて知りました。
長島さんのパフォーマンスは、天才の”天然ボケ”的な発言や行動では決してなくて、むしろ努力家の”哲学的”なものだったんですね。
偉大な人は、やはりものの考え方が違いますね。
凡人のように考え、行動していては、フツウで終わってしまうのでしょう。
とても興味深く読ませていただきました。

ありがとうございます。これからも楽しみに読ませていただきたいと思っています。
返信する
Unknown (Tatsuro Sato)
2007-07-11 10:37:11
お読み頂き有り難うございました。
私も高樹先生のブログは好きで、楽しく拝見させてもらっております。
自分の血で絵を描いた画家の話等は感動ものでした。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-07-17 20:52:26
7月8日の日本経済新聞は余っていませんか?
長嶋茂雄の履歴書を読みたいです。
返信する