「光」と「影」

　スポーツナビの出村義和氏の「野球への"パッション"を持ち続ける男たち ～松坂フィーバーの傍らで～」の記事は面白い。
　
　レッドソックスのキャンプ地フォートマイヤーズの室内打撃練習場では、朝8時を回ったばかりの頃から「カーン、カーン」という打球の乾いた音が響いており、ジョー・マクユーイングが汗を滴らせながら練習をしていたとのこと。
　出村氏によると、「ジョー・マクユーイングは、メッツ時代、投手と捕手以外の7つのポジションを守り、"スーパージョー"のニックネームをもち人気のあった選手である」とのこと。
　そのスーパージョーも、働く場所がなく、レッドソックスのテスト生として、松坂が参加している同じキャンプ地で、練習に励んでいるとのこと。そして、チャンスを捉えて、大リーガーとして働く場を求めているとのこと。
　スーパージョーは、「…マイナーに回されても現役は続けるさ。5歳のときに始めた野球だけど、パッション(情熱)は依然として持っている。こうやってスポーツで競い合っていることが本当に好きなんだ。その気持ちがある限り、働き場所を探し続けるよ」と出村氏に話した由。

　まさに、「野球バカ」の典型かもしれないが、本当に好きなことに打ち込む真摯な姿には感動を覚える。
　今、若い世代の中に、フリーターやニート族といった、「夢のない人たち」がたくさんいる。
　やはり、「好きこそ物の上手なれ」ではないが、「好きなものを探し出し、それに打ち込もうとする努力」が不足しているように感じる。
　もちろん時代環境等、種々の状況はあるとしても、例えばスーパージョーのように5歳の頃から始めた野球を、「パッションを持ち続けることができる限り、働き場所を探し続ける」といった気持ちの持ち方も参考にすべきである。
　
　井上礼之氏の「フロム・ナウ」ではないが、まさに、今日から明日に向かって、くじけることなく、しぶとく、生きて続けていくことが必要なのではないか。