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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

貸し切りだがね!

2016年10月07日 19時51分44秒 | バス運転士
某運動場を乗客ゼロで出発、1つ目のバス停を通過して… 2つ目のバス停から、数名のお年寄りを含む10名ほどが乗った。先頭のお婆さんが、開口一番「あれ、貸し切りだがね!」と驚いたように叫んだ。そう、乗降客の少ない路線では、ちょいちょい聞かれる言葉… そう言うのは、ほとんどが高齢女性で、今回のように仲間と一緒の場合が多い。

しかし、たまぁ~に“単独乗車”でも「あら、貸し切り…」と呟くことがあるので、そういう時は軽く「そうですね」と相槌を打つようにしている。すると、車内には“決して若くない男女”が2人っきり… 必ずと言っていいほど会話が始まる。それは、「今日も蒸し暑いねぇ~」などの挨拶程度のものから、「私は◎◎が好きでねぇ~」というディープな(?)ものまで様々である。

さて、お婆さんたちが乗ってから、バス停を3つほど進んだところで… 急に「やめときん!」と言うお婆さんAの声が聞こえた。車内ミラーを見ると、お婆さんBが立ち上がり、頭上の冷風吹き出し口に手を伸ばしているようだった。すぐに、もう一度「やめときん! 座りゃ~って!」と言うお婆さんAの声により、お婆さんBは着席したのだが… 私は「ひょっとして寒いのか? だからと言って、冷房を切ったら暑くなるのは確実だし…」と思って、スイッチを“自動”から“弱”へ切り替えた。

発車して間もなく、信号待ちをしている車5~6台の後ろで止まった時… お婆さんBは再び立ち上がってしまった。お婆さんAが「動くと危にゃあで… やめときんって!」と注意してくれたのだが、お婆さんBは「いいがね、止まっとるんだで…」と言い返し… その時、前方の信号が青に変わったので、私は「座ってもらって発進しよう」と思ったのだが、ちょうど対向車の先頭と2台目が右ウインカーを出していて、3台目に仲間のバスが止まっているのが目に入ったので、「ちょうどいいや」と思い直してジッと待つことにした。

私の前に止まっていた5~6台の車は、交差点を直進して行き… 対向車2台は右折して行き… 仲間のバスも直進して来てめでたしめでたし… その間も、お婆さんBは吹き出し口と戦い続けていたので、「さすがに2度も青信号を見過ごす訳にはいかない」と思った私は、「動きますよぉ…」と言って座ってもらい、赤信号で止まったのだった。その後、それが呼び水となったのか… バスは遅れっ放しとなってしまいましたとさ。。。

そうそう、先日… 始発地点である某運動場で、2人の生徒さんが乗ったのだが… 1人が「あっ! 貸し切りじゃん!」と叫んだのである。今日のお婆さんは、2つ目(始発地点を含めれば3つ目)のバス停だったけど… 始発地点で「貸し切り」って言われてもなぁ…(可愛いじゃないのぉ~!) ま、さすがに生徒さんは座席の上で立ったり踊ったりしなかったけどね。ハハハ…(いつ、誰が、座席の上で踊ったんだよぉ~ それはオマエじゃないのか? ♪ぎゅうぎゅう詰めのバスの中~ ってか!? ハハハ…)