おかあちゃん 会いたい

おかあちゃん　おかあちゃん　おかあちゃん　会いたいよ。

もうどうする事も出来ない。
ごめんね。おかあちゃんにもらった身体をこんな風にしてしまった。
堪忍な　かんにんな。

車の運転出来るかな。
ちゃんと家に帰るから……

おかあちゃん どうしよう

おかあちゃん　病院にいる。
一か八かの先生の診断。
「カチカチだったのが　随分柔らかくなったね。」
私は訊ねた。「まだ　一か八かでしょうか。」
先生「胸筋がない。薄い。これでは手術は出来ない。」
おかあちゃん　私は泣かない。
もう施しようがない。今もまだ突っ張る。この苦しみから逃れる術はないそうだ。
次回の診察も　予約はない。
私が悪かった。先生を間違った。
希望がない辛さ。どうしようもない辛さ。

会計の順番を待っている。涙は落とさないと決めた。
でも目頭に涙君は容赦なく集まってくる。
落とさない。絶対に落とさない。