2013年も半分来ちゃいましたね~。早いですね。
6月始めにAQFFに行ったのですが今年のクロージングフィルムイ=ソン・ヒイルトリロジー
最近この映画の韓国版DVDが届いたので、楽しかった映画祭のことを思い出しつつ、しつこく観ています。
3本の短編のうち、ワタシが一番好きなのが. 「あの夏、突然に」Suddenly, Last Summer 高校生と担任の先生の夏の1日のお話です。(以下しゃらっとネタバレですが、悪びれてない、ワタクシです)
キョンフン(先生)役は「 魔王 」や「 ワンドゥギ 」のキム・ヨンジェ
生徒宅に電話して、家庭訪問の段取りをして車で出かけようとすると、生徒のサンウ(ハン・ジュワン)が待ち伏せていました。ここのところサンウに付きまとわれているみたいで先生、困り眉。
「お前の家は4時だ」
と言うんですけど
「どうせウチまで行くんだし」とか「歩くのは暑いし」とか、強引に車に乗り込んできます。
「俺はお前の担任だ。お前は俺を誤解している。どうして振り回すんだ?」
という先生に
「先生、バーにいたでしょう?僕と目があったよね?」
と食いさがるサンウ。どうやら先生がゲイバーにいるところを見た、ということのようです(タイヘ~ン!)
そしてスマホの写真を見せて
「これ、先生でしょう?この写真を校内掲示板に乗せる。先生を脅迫に来たんだ」
しばし罵りあうふたり。
写真というのは先生がバーでへべれけになった写真らしい(スマホの画面はよく見えないですけど)そしてサンウが勇気を振り絞って(手が震えてる)言ったことばは
「 写真は誰にも見せないから、今日1日だけ僕につきあって。 」
結局またサンウを乗せて車を走らせる先生。(またまた困り眉)
サンウがしたかったことは先生と遊覧船に乗ること。乗船券を買ってうれしい顔して車に戻ると先生はいなくて、川沿いをたそがれて歩いてました。
「黙って写真撮ってごめんなさい。」「先生があのバーにいるなんて信じられなかった。」 「あのとき、僕のこと見てたでしょう?」 「どうして電話にでてくれないの?」 「ホント言うと昨日の夜は先生の家まで行ったんだ」
語りまくるサンウがカワイイです。
先生は相づちも打たないのですが、サンウが授業で習った「盲亀浮木」を間違って言ったときだけ、口を挟んで訂正しました。先生の口調を真似しながら「盲亀浮木」を説明するサンウ。
”滅多にないこと、奇跡のような出来事”。 それは”先生に出会ったこと”だとサンウは思ったのかも。
先生がバーで急にいなくなった時必死で探したというサンウに
「逃げたんだ、察せよ。お前は俺を見つけた、もう振り回すな。」
ずっと憧れていた先生が男と付き合う人だったと知って信じられない、うれしい・・・サンウはそんな気持ちなのかな。先生は、というと、もうシラを切ったり隠したりしませんでした。ただ困っているだけ。
船に乗るのもあまり乗り気じゃない先生に、
「先生、一度乗ってみたいって言ってたじゃないか」
とむくれるサンウ。先生はクラスでそんなようなことを言ったのでしょう、多分軽い気持ちで。でも、サンウはしっかと覚えていた。
好きな人のことは何でも知っておきたい・・・そして好きな人の言ったことは小さなコトでもなんでも覚えてる・・そういうのってありますよね。
若干思いこみ激しくて粘着質なんですが、なんかいいなぁ・・・このコ・・。
きゅんきゅん来ちゃいます
・・・この感じ 「後悔なんてしない」を初めて観たときに感じたのと同じようなキモチ。
イ=ソン・ヒイル監督の映画にはきゅんきゅんが詰まってる。
・・・・結局、飲み物とおやつを買って、乗船する先生とサンウでした・・・。