ユナイテッドシネマ金沢で「サブスタンス」を観ました。



2024年 イギリス・フランス合作
監督・製作・脚本・編集:
コラリー・ファルジャ
エリザベス:デミ・ムーア
スー :マーガレット・クアリー
ハーヴェイ:デニス・クウェイド

女優エリザベス・スパークルはワークアウトのインストラクターとして番組も持っている。

でももういい年(50歳)なのでと番組を下されそうになり焦ってサブスタンスという再生医療に手を出す。
注射を打つと激痛が走り、エリザベスの背中がぱっくり割れて、中から出て来たのはスー

若くてぴっちぴちのスーはエリザベスの後釜となり人気急上昇。
スーはサブスタンス使用上の約束(1週間ごとに交代)を破ってしまう。
デミ・ムーアひさびさにみたな。
美を追求するあまり狂気じみて来て一線を超えてしまうエリザベス(というかスーか)。
だんだんとグロテスクな描写になって来てそれがエスカレート、最後の方はいくらなんでもやり過ぎやん、と思えるほど。
けど何もかもかなぐり捨てて振り切った感が心地よく、デミ・ムーアの体張った演技が凄まじかったです。
シネモンドで「キドー」を観ました。


監督:ザラ・ドビンガー
2023年オランダ映画
オランダの児童養護施設。
11歳の女の子、ルーの母カリーナから明日会いに来る、と電話が入ります。母とは長年会っておらず、1日中楽しみに待っていたけど現れず、やって来たのは翌日。
母はスタントもこなすハリウッドスター(自称)だといいルーを施設から連れ出してポーランドのおばあちゃんの家まで行くという。

ママは「人生はゼロか100か、よ。お嬢ちゃん(KIDDO)」といい、オンボロ車に乗ってふたりはポーランドを目指す。
凸凹母娘のロードムービーです。
「あたしたちは“ボニーとクライド”よ」とママ。めちゃくちゃするママに振り回され、呆れつつもママと一緒にいたいと思うルーがかわいかった。
トンでる話でしたけどちょっと歪んだ
母娘愛に溢れてました。

ダイナーやモーテルでたびたび出会うバクチク少年(←勝手に命名。嬉々として花火やら爆竹やらやってる)がいいキャラでしたわ〜。

シネモンドで「湖の見知らぬ男」を観ました。


かなーり前に「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」(現レインボーリール映画祭)で観たのですが色々と衝撃映画でございました。
今回の一般公開でアレとかコレとか見えてはまずい数々のもの
に対してなんらかの処理がされているのかと思ったら、そのままだった…

音楽が全く使われていない映画。
舞台は湖と森なので、静かな波の音と木々が風に揺れる音が静かなBGMのように流れているちょっと不思議な感じがしました。
IMDbによると“音”はロケで自然に録音した音なんだとか。
ユナイテッドシネマ金沢で「Flow」を観ました。



2024年ラトビア、フランス、ベルギー作品
監督、製作、脚本、編集、音楽:
ギンツ・ジルヴァロディス
洪水にのまれた世界で1匹の猫が漂流してきた船で旅に出る。
犬、ワオキツネザル、カピバラ、オオワシと共に。

珍しいラトビア産のアニメ映画。
映像が美しくてスケールの大きさに息を呑む。
“洪水が来て船で漂流”という状況でも戯れたりツンデレだったり猫は猫らしく、犬も犬らしく動物たちが生き生きして可愛いらしいです。
動物達が食べ物を分け合ったり団結して危機を回避したり胸アツなお話でもありました。
動物達が食べ物を分け合ったり団結して危機を回避したり胸アツなお話でもありました。
アラン・ギロディ特集は4/5〜18まで。
日替わり上映。さていつ行きましょう。
「湖の見知らぬ男」の写真に「18歳以上推奨」とあるんですが「18禁」って言わないんか?と思いますた 

そして「トワイライトウォリアーズ」の上映もある 

シネモンドで観ました。

2023年 ジョージア、スイス合作
監督、脚本:エレネ・ナベリアニ
原作:タムタ・メラシュビリ
エテロ:エカ・チャブレイシュビリ
ムルマン:テミコ・チチナゼ

東ヨーロッパ、ジョージアの田舎に住む
エテロ、48歳、結婚歴なし、ひとり暮らし。
亡くなった父と兄から受け継いだ日用品店を営んで暮らしている。
“ひとり暮らし”をご近所さんたちに噂されても気にしない。
ある日山でブラックベリー摘みの最中に足を踏み外し崖から転落しそうになる。
九死に一生を得たエテロは死について考え、大胆な行動を起こす。
店に出入りの配達のおじさんムルマンに相手にロストバージン。ふたりは人目を忍んで関係を続ける。
これまで波風立てずに過ごしてきたエテロの人生がものすごいウネリの中へ入っていく。
「死」を感じたことが彼女を突き動かしたのでしょう。
不思議なお話でした。
エテロ役の女優さん、無表情でユニークな女優さんでした。
映画.comの公開予定映画のチェックしていたら「湖の見知らぬ男」があった。
一般公開(と呼んでいいのよね?)するんや〜

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で観た時の感想はこちら。↓ちょっとネタバレ。ご注意を。
アラン・ギロディ監督作品を一挙に3作品公開するそうです。
観に行きま〜す 

ユナイテッドシネマ金沢で「アーサーズウィスキー」を観ました。


2024年 イギリス映画
監督/製作/原案:スティーブン・クックソン
リンダ:ダイアン・キートン
ジョーン:パトリシア・ホッジ
スーザン:ルル

発明家だった夫アーサーを亡くしたジョーン。
親友リンダ、スーザンと共に夫の研究部屋(庭の掘立小屋)を片付けていたら蒸留酒(ウィスキー)を発見。3人で飲んで目覚めると若返っていました。
容姿は若くてもファッションやら会話はおばちゃん
の3人は…


ナイトクラブへと繰り出します。
ノリノリで踊るポーズがまんまトラボルタ(サタデーナイト・フィーバー)で笑ってしまう。
若返りの効能は6時間程度で時間になると白髪がちらほら出て来たり手がシワシワになって来たり。
ウィスキーの在庫が残っているうちに“やりたいことを全部やる!”と3人はラスベガス旅行に出かけます。
結局自分は自分。ありのままでいい。
そしてやりたいことはできるうちにやるべき!と なにやらエールをもらったような気持ちになりました。
元気なおばちゃんの映画です。
3人がラスベガスで観に行くドラァグクイーンのショーのゲストにボーイジョージが出て来てびっくり 

ひさびさに「カーマカメレオン」が聴けてうれしかったです。
シネモンドで「ロボットドリームズ」を観ました。


2023年 スペイン・フランス映画
監督・脚本 パブロ・ベルヘル
原作 サラ・バロン
ニューヨークに住むひとりぼっちのドッグはテレビ広告で見た「友だちロボット」を注文します。(ロボットは完成品が届くのかと思っていたら組み立て式だった)
一緒に地下鉄に乗って出かけたり公園で踊ったり、ふたりは楽しい毎日を過ごします。
ある夏の日ビーチで遊んだ帰りにロボットは故障して動けなくなってしまう。ドッグが泣く泣くビーチに置き去りにして修理道具を用意して再びやって来た時にはビーチは閉鎖されていました 

ドッグは海開きする来年6月にロボットを取り戻しにいく!と決めて、釣りとかスキーなど新しい趣味、新しい出会いを始めるのですがロボットがいない淋しさを感じてしまいます。
セリフがないアニメーションですが、ドッグの気持ちもロボットの気持ちもズーンと伝わってきました。
絵がシンプルですごくかわいい。
ドッグ、ロボットのほかにも登場する動物たちが生き生きしてるしかわいいし。(中華街にはパンダがいた)
アース、ウィンド&ファイヤーの「セプテンバー」がテーマソングみたいになっていて楽しい曲なのに、今聴いたら泣きそう。
ユナイテッドシネマ金沢で「ぼくとパパ、週末の約束」を観ました

2023年 ドイツ映画

ミルコとファティメの長男、10才のジェイソンは自閉症。
こだわりが強く自分のルールから外れるとパニックを起こしてしまう。
授業中に自分の考えを譲らず結果的に授業を妨害することになったり、同級生にからかわれてケガをさせたり。
ジェイソンの興味は天文学や量子力学などでサッカーに興味はないのですがクラスメイトに好きなチームを聞かれて自分も推しのチームがほしい、と思います。
実際の試合を見て決めたい、と言い出し、毎週末パパと一緒に各地の試合観戦に出かけます。
騒音、人に触られること…ジェイソンが嫌い、と言うより堪えられないことがスタジアムには溢れている。
でも推しを見つけるためにいくつかの「イヤ」には目を瞑ろうとするしパパは根気よく付き合い盾になって守ってくれる。
家族愛に溢れて、最後は気持ちのいい話で終わってよかった。
ユナイテッドシネマ金沢で「2度目のはなればなれ」を観ました
2023年イギリス映画
監督 オリバー・パーカー
バーニー マイケル・ケイン
ルネ グレンダ・ジャクソン


2014年イギリス、ブライトン。
老人ホームで妻のルネと静かに暮らす退役軍人のバーニー89歳。
杖または歩行器(お達者カーみたいなやつ)を使って移動。ルネと外出時はルネの車椅子を押す。
ある日ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に参加するために施設職員に内緒でフランス ノルマンディー行きのフェリーに乗ります。
ルネとはなればなれになるのは人生で2度目。
それでも行きたい、行かねばならない理由がありました。
2人の若い頃(戦時中)と2014を行ったり来たりして話は流れます。
出会った頃、バーニーがルネを朝焼けを見に連れて行き、その美しさに2人感動するのですが、今も目覚まし時計を4時台に鳴らして朝焼けを見る生活をしているなんてすてきだわ。
そして年老いた2人のやり取りはユーモアと深い愛情に溢れていました。
英国発“旅するじいちゃん映画”といえば
それから
(↑過去記事にリンク貼ってます)
みんな無茶するじいちゃんですな〜 

そしてSNSで拡散→有名人 ってところが同じだね 

「2度目のはなればなれ」はマイケルケインの引退作品で、グレンダ・ジャクソンの遺作だそうです。
ユナイテッドシネマ金沢にて

2023年 イギリス・ギリシャ映画
監督 モリー・マニング・ウォーカー
タラ、スカイ、エムの仲良し3人組はイギリスからクレタ島のマリアへ卒業旅行にやって来ます。
ひとりだけバージ ンのタラはこの旅の目標はズバリロストバージ ン。
飲んで騒いでパーティに明け暮れる毎日。
やがてその“機会”がやって来ます。
捨てたらさぞかしキラキラできるのかと思っていただろうのに何かが違う。
苦くて虚しい気持ちに襲われたタラに「急いで大人にならなくてもいいんだよ」と言ってあげたいです。
ノーテンキな青春映画かと思っていたけど結構深刻で重かったです。
タラがカラオケで歌うシーンがあって歌というよりほとんど絶叫
なのですが

「僕を名前で呼んでもいい、ナンバーで呼んでもいい」
という歌詞の字幕がついていて
「これってザ・ワン・アンド・オンリー!?」
(ちょっと音程が怪しすぎるが)と私の心が騒ついた。
はたしてニック・カーショウ作詞作曲、チェズニー・ホークスの「ザ・ワン・アンド・オンリー」だったのでした 

さて、「ザ・ワン・アンド・オンリー」で検索したら“夜景のステキなバー”と“競馬の馬”ばかりがヒットしてちょっと淋しいアタシです 

シネモンドで 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」を観ました。

2022年 イギリス映画
監督:へティ・マクドナルド
原作・脚本:レイチェル・ジョイス
ハロルドフライ:ジム・ブロードベント
モーリーン:ペネロープ・ウィルトン
定年退職し妻と暮らすハロルド・フライのもとに届いた手紙。
かつての同僚クイーニーからのもので、末期癌で入院中のホスピスから送られたものでした。
返事を出そうと家を出たものの投函するのを躊躇い、ホスピスまで歩いて直接クイニーを励まそう、と思いつきます。「僕が行くまで死んじゃいけない」とクイニーに伝言して歩き出します。
妻のモーリーンには道中電話して事情を伝えたけど呆れられて怒られて…そりゃそうだ。無謀な旅に出るならせめて準備してから出てほしいよなぁ。ハガキ出しに行ったついでに800キロ先へ行って来ます、って電話で言われても 

息子デービッドのことで妻とはわだかまりを抱えています。
ボロボロになり挫けそうになりながらも親切な人々に助けられて歩き続けるハロルド。
野宿したり牛舎のワラをベッドに眠ったり。川で水浴し、野草を調理して空腹を満たす。
コメディっぽい話かしらと思っていましたが結構重い話でした。
人生終盤に差し掛かったハロルドが起こした奇跡、そしてハロルドとモーリーン夫婦の再生の話でもありました。
行く先々の田園風景や石造りの建物が本当に美しくどこか懐かしい風景に見えました。
おじちゃんが旅に出るロードムービーといえば「君を想いバスに乗る」をちょっと思い出しました、がこちらは準備の上ちゃんとバスで移動してた。
シネモンドにて



イタリア・フランス・ドイツ作品
1858年。
ボローニャのユダヤ人街のモルターラ家に兵士たちがやって来て7歳のエドガルドを連れ去る。
キリスト教の洗礼を受けたエドガルドを異教徒の両親の元で育てることは教会の法に触れるから、というその理由に納得がいかない両親(そして観客
)

やがてユダヤ人のコミュニティや世論も巻き込み息子を取り戻すための裁判にまで発展します。
エドガルドはなぜ洗礼を受けたか、というと生後6ヶ月で重い病を患った時に当時の乳母(女中)が「亡くなった時に天国へ行けなくてはかわいそう」と勝手に自己流で洗礼した、というもの。
その洗礼は有効なのか、その乳母の行動がなぜ教会の知るところとなったのか。
実話を元にした映画。
重い話でしたが歴史ある建造物の重厚さに圧倒され、美しい風景に魅了されました。
引き裂かれた家族の心情が痛いほど刺さります。泣き叫ぶ7歳の少年エドガルドがいたわしい。

こちらは成長したエドガルド。レオナルド・マルテーゼが美しい。
「蟻の王」でエットラを演じてましたがこっちも辛い役だったな 

ユナイテッドシネマ金沢で「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を観ました。


監督: ジェームズ・ホース
ニコラス・ウィントン:
アンソニー・ホプキンス
若き日のニコラス :
ジョニー・フリン


1987年。年老いたニコラスが娘夫婦と孫のためモノで溢れた部屋の片付けを始めるところから始まります。(捨てられネーゼで色々ため込むじいちゃんみたい
)

書斎にある古いバッグには色褪せたスクラップブック。
それはニッキーがかつてナチスから救った子供たちの資料でした。
1938年。プラハ。
ナチスから逃れてきたユダヤ人難民の子供たちをイギリスに避難させようと奔走する人道活動家:ニコラス・ウィントンと仲間たち。
里親を探しマッチングして子どもたちを次々とイギリスに送り出します。
しかし開戦の日が来て列車に乗せることができなかった(救出出来なかった)子どもたちのことをニコラスは忘れることがありませんでした。
49年の時が流れてこのスクラップブックがニコラスに奇跡のような出会いをもたらします。
時代が前後するけど複雑じゃなく、正体不明みたいな謎の人物もいない。
観客が話に置いていかれることも、丸投げされることもなくきちんとした(?)ストーリーが2時間に収まってほっとして感動して終わりました。
なんか礼儀正しいとでもいいますか、ちょっとクラッシックな王道の映画を観た気がします。
まあ
「何が何だかよくわからんけどなんか凄いもん観た」
という映画も好きですけど。