自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」(護る会)は、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を扱ったNHK番組「緑なき島」を巡り、NHKの稲葉延雄会長が元島民に謝罪する意向を示したことを受けて要請書をまとめた。
謝罪する際の記録や取材を制限する方針を打診したNHKを「誠に尊大であって、公共放送のメディアの姿勢として理解し難い」と非難し、元島民の希望に沿ってメディアの参加や録画・録音を可能とすることを求めた。
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<独自>軍艦島映像、NHK「坑内の確認得られず」元島民に調停で認める 抗議重ね4年(1/1枚目
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■NHKは「常識で考えては」
要請書は護る会代表を務める青山繁晴参院議員が21日、国会内でNHKの担当幹部に手渡した。
同席した和田政宗参院議員は「このままだとNHK予算案の否決もあり得る」と訴え、山谷えり子参院議員も「もう少し常識で考えてはいかがか」と苦言を呈した。
要請書はNHKが当初、元島民による録画や録音、メディアの取材は許可しないといった条件を示したことについて、「先般のフジテレビによる最初の記者会見(動画による取材を拒み、静止画像のみとした)そのものであり、常識外の条件付きである」と強調した。
韓国メディアが「緑なき島」の坑内映像を戦時徴用に関する番組で無断使用している現状を挙げて、「NHKの企図せざるところとはいえ『朝鮮半島出身者の非人間的な強制労働』という事実無根の反日プロパガンダに使用されるなど日本の尊厳と国益に関わる重大な事案である」と指摘した。
■お詫び表明も「NHKで受け入れられていない」
一方、NHKは面談会場について当初予定したNHK放送センター(東京都渋谷区)から千代田区のホテルに変更した。
3月26日に面談するという。
青山氏は記者団に、日銀出身者で会長に外部登用された稲葉氏について「公共放送の長として申し訳ないという気持ちを表明したいといってもNHKの組織内で受け入れられていないのだろう」と立場をおもんぱかった。
令和3年3月に青山氏が参院総務委員会でNHKの前田晃伸会長(当時)に坑内映像と実際との矛盾を尋ねた後、前田氏が青山氏の事務所を訪ねてきたという。その場で前田氏は「映像に瑕疵があることを認めたい」と伝えようとしていたが、前田氏に付き添ったNHK職員が繰り返し阻もうとしていたように青山氏には映ったという。(奥原慎平)
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