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トランプは本気で、カナダを電子スパイ同盟「ファイブ・アイズ」から放り出すつもりか…その影響は?#2025/3/19#Newsweek#木村正人

2025-03-22 16:17:48 | 連絡
<世界史上最も成功した情報共有協定とされるファイブ・アイズからカナダを排除するとトランプ政権が脅す目的は何か? そして、その脅しはどんな影響をもたらすのか>
【木村正人(国際ジャーナリスト)】
 

[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領がカナダを米国51番目の州にすると暴言を吐き、関税戦争を仕掛けるその舞台裏で、米高官が英語圏の電子スパイ同盟「ファイブ・アイズ」からカナダを排除するよう提案したと英紙フィナンシャル・タイムズが報じたのは2月25日。
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●日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング 2位は中国政府系グループ...1位は?
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カナダのジャスティン・トルドー首相は退任前にトランプ氏のカナダ併合発言について「トランプ政権はわが国の重要な鉱物資源の量を把握しているだけでなく、それが併合しようと言い続ける理由である可能性さえある」と警戒警報を発した。 
米通商・製造業担当大統領上級顧問で対中強硬派のピーター・ナバロ氏がカナダへの圧力を強めるためファイブ・アイズから外すよう働きかけたというFT紙の報道を本人は「カナダのような同盟国とわが国の国家安全保障を危険にさらすことは決してない」と一蹴した。 
■21世紀の新たなグレート・ゲームは北極圏
 トランプ氏がカナダへの圧力を強める背景には中国やメキシコと並んで米国の貿易赤字が多いほか、温暖化で北極圏航路や資源開発の可能性が膨らみ、地政学的な重要性が増していることがある。
地球儀を北極点から見ればカナダもデンマーク領グリーンランドも同じ位置づけになる。
 2016年大統領選でトランプ氏初当選に貢献したスティーブ・バノン氏はFT紙(2月16日付)に「大統領はカナダ併合を戦略的防衛計画の一部と捉えており、グリーンランドやパナマ運河の支配を求めることで米国が安全保障上、優位に立つことを目指している」と語っている。
トランプ氏は21世紀の新たなグレート・ゲームは北極圏とにらんでいる。
ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)にとどまらず「世界史上最も成功した情報共有協定」と呼ばれるファイブ・アイズさえもズタズタに引き裂かれる危険にさらされている。
 ■陰謀論的で親露的な見解を持つ米国家情報長官
 ファイブ・アイズは英語圏5カ国の英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで構成される。
第2次大戦中に英米の暗号解読チームが秘密裏に結成した同盟関係がその出発点になった。
現在では5カ国の情報機関が安全保障に関するさまざまな情報を共有している。
英誌エコノミストは「トランプ氏対ファイブ・アイズのスパイたち 大統領は世界最強の情報共有協定を損なうのか」(3月16日付)と題して米国がウクライナとの情報共有を一時停止したことやカナダをファイブ・アイズから排除すると脅したことについて強い懸念を示している。
陰謀論的で親露的な見解を持つことで知られる米国家情報長官トゥルシー・ギャバード氏の元補佐官によると、彼女はロシアのプロパガンダマシンであるRT(旧 ロシア・トゥデイ)が発信する偽情報を日常的に共有していたという。
 ■情報コミュニティーの政治化が米情報機関をマヒさせる
 同誌は3つの可能性を挙げる。
①米国が協定を破棄し、カナダをファイブ・アイズから追い出す。
➁第二に同盟国がトランプ政権からの情報漏れを恐れて情報共有を控える。
三最も可能性が高いのは情報コミュニティーの政治化が米情報機関をマヒさせ、同盟国にも波及するシナリオだ。 
エコノミスト誌によると、1970年代に英政府通信本部(GCHQ)長官だったアーサー・ボンサル氏は
「ファイブ・アイズの情報共有は遅延することさえ許されない」と書き残している。
2003年のイラク戦争で米国とカナダが対立した時でさえファイブ・アイズは例外だった。
①米国は地球規模の監視ネットワークを管理しているものの、

➁英国は暗号解読、サイバーセキュリティー分野を主導。

➂カナダは1940年代から北極圏における旧ソ連(ロシア)の通信傍受を担い、

④オーストラリアは中国の動向を監視している。


ウクライナ戦争を通じてロシア、中国、北朝鮮、イランが結束を強める中、
孤立主義者のトランプ氏はNATOやファイブ・アイズの礎になってきた信頼関係をも破壊しようとしている。
貿易赤字や財政赤字の解消と世界の安全保障を天秤にかける影響は計り知れない。



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