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長嶋茂雄氏は右半身マヒに…心臓由来の脳梗塞 予防のカギは家庭用心電計にあり2022/10/17京都府立医大妹尾恵太郎

2022-10-20 09:33:06 | 連絡
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 不規則脈波マークは、測定中に脈 が適切に検出されない時に表示さ れます。 ※マークが表示されても、不整脈とは限 りませんが、頻繁に表示される場合に  は医師にご相談ください。 

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階段を上っているときに息苦しくなったり、動悸がしたりすると、ちょっと不安になって立ち止まる。
それでもしばらくしてよくなれば、職場なら仕事をしているうちに症状のことは忘れてしまうかもしれない。
そんなありふれた症状の裏に潜んでいるのが不整脈の一つ心房細動で、その診断には家庭での取り組みが重要だという。
京都府立医大循環器内科学不整脈先進医療学講座・妹尾恵太郎講師に聞いた
心房細動といっても、一般にはなじみがないだろうが、あの長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督を半身マヒに陥れた原因の病気として知られる。ピンピンだったミスターは2004年3月、東京女子医大に救急搬送された。
医師団の懸命な治療で一命をとりとめたが、入院期間は1カ月を超え、その後のリハビリ病院での入院も2カ月に及ぶ。それでも右半身のマヒは強く、今も残っているのはご存じだろう。
ミスターの病名は、脳梗塞だ。それがなぜ、不整脈の一種の心房細動と関係するのか。
「心房は、心臓に4つある部屋のうち上2つで、特に左の心房の脈が乱れやすい。
それで脈が乱れた時に内部の血流がよどむと、血栓ができることがあります。脈が戻って血栓が血流に乗って、脳の血管に流れ着くと、脳梗塞を起こすのです。
心房細動を原因とする脳梗塞は、一般の脳梗塞と区別して心原性脳塞栓と呼ばれます。
このタイプが怖いのは、一般の脳梗塞よりも命にかかわることが多く、一命をとりとめてもマヒや寝たきりなど重い後遺症が残ることがあるのです」
一般の脳梗塞は、血管の内部にコレステロールなどが少しずつ付着してじわじわと血管の壁を厚くする。
長い時間を経て血管の通り道が狭くなって、やがて詰まる。
しかし、脳は重要な臓器で詰まる前に“血管のバイパス”ができることもあって、本格的に血流が途絶えても致命傷にはなりにくい。
 〇発症リスクは5倍、死亡リスクは最大3.5倍
心房細動を原因とする心原性脳塞栓だと、そういう“バイパス”ができにくく、道路に例えると幹線道路のような太い血管を突然、詰まらせるため、重症化しやすいといわれている。 
「心房細動の有無で比較すると、心房細動がある人はない人に比べて脳梗塞の発症リスクは5倍です。
死亡リスクは最大3.5倍。認知症にもなりやすく、QOL(生活の質)も低下。脳梗塞全体のうち心原性脳塞栓は20~30%を占めていて、決して珍しい病気ではないので、早期診断と予防が重要です」
 予防とは、心房細動を治療して、厄介な心原性脳塞栓を起こさないことが目的だ。ところが、その要となる心房細動の早期診断が難しい。どういうことか。
「心臓の拍動は、電気信号で制御され、一定のリズムを刻んでいます。
大体1分間に60~100回が正常で、それより遅かったり、速かったりするのが不整脈。
心房細動は速い方の不整脈の一つです。
その症状は動悸や息切れ、呼吸困難、めまい、失神などですが、症状を自覚している人は全体の6割。4割は無自覚なのです
 〇不整脈が原因 患者数108万人
 症状を自覚していない4割は当然、受診には結びつかない。
自覚している6割も、“喉元過ぎれば”で、冒頭のようにしばらくすると治まっていることが多い。
発症当初は心配しても、日常生活に支障がないことが分かると、「疲れているせいかな」「寝不足のせいだろう」などと軽い考えから受診を先延ばしにしがちだ。
「心房細動は加齢とともに患者数が増え、2020年時点で100万人と推計されます。
しかし、症状があてにならず、受診を先延ばしにしているケースがかなりあると思われるので潜在的な患者数はもっと多いでしょう」
心房細動は男女差があって、女性より男性に多い。
日本循環器学会の調査では、有病率は70代で男性3.4%、女性1.1%、80代以上は男性4.4%、女性2.2%。
長嶋氏の発症は18年前、68歳だった。
心房細動を起こしやすい年齢に差しかかっていた。
 引退後も体形をキープしていた昭和のスーパースターも、心房細動を発症するのだ。何がリスクなのか。
「高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、飲酒、睡眠時無呼吸症候群が挙げられるように、メタボ的要因がリスクになります。
さらにストレスです。
ですから、一般の方でもメタボを助長するような不規則な生活を続けながら、ストレスをため込むと、心房細動を発症しやすい。
ほかに心臓由来のリスクとして、狭心症や心不全があります」
 心臓病がある人を除くと、メタボ的な要因のある人は要注意だろう。
リスク保有者は、生活改善を心掛けることだが、特に高血圧の人は危険だという。
「街中で65歳以上の1605人に心電図検査を行ったところ、高血圧の人から心房細動を検出する割合は1.6%でした。
高血圧でない人は0.5%なので、検出率は3倍です」
心房細動の診断が難しい理由は、ほかにもある。
それが家庭での取り組みにかかわってくるという。
「心房細動は、症状を自覚した患者さんが受診しても、その時点で治まっていると、心電図で異常をとらえることができません。
そこでいま期待されているのが、家庭用心電計です。
これを使って毎日朝と夜など定期的に心電図を計測してもらうことで、本人が自覚していない異常をキャッチできる可能性が高い。
受診する際は、なるべくそのデータをたくさん持参していくと、診断がつきやすくなるのです」 
最近は、高血圧なら血圧計、糖尿病なら血糖値の自己測定器などを自宅に用意している人が珍しくない。
それと同じイメージで前述のリスクがある人は、家庭用心電計も用意しておくといいだろう
受診した際、心電図から不整脈が認められないと、ホルター心電図を受け取って24時間心電図を計測することになる。
電極を体につけたまま生活して最大14日間のデータを記録できる。
それで無自覚の異常をキャッチして診断に結びつけるわけだ。
「24時間心電図と14日間の連続記録での不整脈の検出を比較した研究があります。
それによると、不整脈全般の検出率は14日間の連続記録で66%、心房細動は同じく19%でした。
いずれも24時間心電図より有意に高い(それぞれ9%、3%)。
家庭用心電計の記録もたくさんある方がベターなのはそのためです」
心房細動と診断されたら、心原性脳塞栓の予防で抗凝固薬を毎日、服用する。抗凝固薬は、いわゆる血液をサラサラにする薬だ。
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イグザレルト錠15mg[非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制]2022年02月改訂くすりのしおり
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/397ea9883c74dc6cabd3627ee3a7101d
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また、心房細動を起こす部位に電気的に“焦げ”を発生させて根治するカテーテルアブレーションという血管内治療もある。   
 いずれにしても早期診断が必要不可欠。「気になる症状があれば、どんなに軽くてもためらわず受診すること」を肝に銘じたい。

 


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