感染症内科への道標

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米国での髄膜炎・脳炎大規模疫学調査

2017-08-17 | 臓器別感染症:中枢神経系・頭頚部
- 論文名: Epidemiology of Meningitis and Encephalitis in the United States, 2011–2014
- 雑誌: Clinical Infectious Diseases 2017;65(3):359–63

- 要旨: 2011-2014の米国でのPremier Healthcare Database(PHD)を用いた髄膜炎・脳炎の大規模疫学調査(26429名)。エンテロウイルス(13463, 50.9%); 細菌性髄膜炎(3692, 13.9%), 単純ヘルペスウイルス (2184, 8.3%), 非感染性 (921, 3.4%), 真菌 (720, 2.7%) アルボウイルス (291, 1.1%)。HIV患者は4.2%

 *PHDは米国での1/5の入院情報をカバーし、入院・退院時病名、入院中の処置・検査結果が把握できる。

- 本論文から得られる知見:
- 髄膜炎/脳炎を疑った患者の約90%で抗菌薬投与を受けており、非細菌性でも80%以上は抗菌薬投与を受けていた

- ステロイド投与は全体の約16%で行われており、細菌性では約30%が投与されていた。肺炎球菌が起因菌だった場合のみステロイド投与による予後改善を認めた。

 - ヘルペスウイルス脳炎ではステロイド投与の有無で予後の改善を認めなかった
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