秘密のミャンマー(椎名誠) 2003年10月発刊。 4人の仲間と、多分1ヶ月ぐらいをかけて、時には、飛行機や、自動車で駆け廻った面白旅行記である。今も軍事政権下のミャンマーであるが、現在よりも、その当時のほうが軍事色の強い時代のミャンマーである。当然、現地の人は、ニューヨークテロのことも、米軍が、アフガンを猛攻撃を加えていることなど知らない、隔絶された国家である。訪れた先は、仏教国であるので、多くの仏塔(パゴダ)と、僧院で修行する、お坊さんである。また、イラワジ川周辺、というよりも、川の上で生活する現地風景、そして、首長族のことも紹介してくれた。いずれにしても、首都ヤンゴンは、人と車で、雑然とし、周辺国家も騒然としている時代に、世界最貧国だけに貧しい生活をしているけれど、多くの人民は、心豊かで、優しいのは、人は、何が幸せであるのか、考えさせられる。
うなぎの瞬き(村松友視) 1998年11月から2000年11月まで、「別冊サライ」に連載された、「家から20分」を編集したもので、作者の自宅である、吉祥寺界隈を散歩するときに思いついた、エッセーである。わずか、40分の散歩でいろいろと話が思いつくもので、いずれも面白いが、表題となった、「鰻の瞬き」と、安部譲二との交友、そして、ジャズ界にデビューした頃の綾戸智絵の話など、「ナルホド、そんなことあったのだ」とさりげなく紹介した。いつもながら、男気あるが故に幅広い交友から小さな話題であっても、作者の思いやりからいっそう面白くさせていることに感心する。YOU-tube で彼女のテネシーワルツを聴いてみたい。
http://www.youtube.com/watch?v=buy5RUHYFm8&feature=related