ナベッチーのエンジョイライフ

他人様からすれば他愛もないことでも、記憶にとどめておきたい事、感動したスポーツ、本、映画などを思いつくままです。

劉邦と項羽 

2012-07-12 15:49:09 | ブック(記憶に残したい本、文章)

劉邦と項羽 司馬遼太郎著 新潮文庫版 上、中、下 私はこの、7~8年前から、NHK大河ドラマや、歴史小説を読むようになって、大まかの、日本の歴史がわかりかけてきた。しかし、中国については、皆目わからなかったが、この、劉邦と項羽を読むことによって、中国の歴史の一端に触れることができた。それも、紀元前200年ほど前の頃である。この小説は、上、中、下、の3巻からなり、登場人物も多く、秦の始皇帝から始まり、劉邦、項羽、韓信、張良、簫何、范増、呂后、恵帝、劉恒など、誰がどうであったか、覚えることもたいへんで、それに、当時の地名も頭に入っていないと、チンプンカンプンになってしまう。もちろん司馬遼太郎は、当時の地図も明記してあるが、難しい漢字の地名が多いし、そして、現在の地名と違っている。そんなこともあり、この本を読むのに、40日を要した。ただ、昼間時間をかけて、ジックリと腰を据えれば、10日もあれば読了できるとは思うのであるが………  それはともかくとして、今から2200年も前のことを、作者は、「信長、秀吉、家康」を書いたように、戦いの戦略、部下、人民の心などを、わかりやすく、面白く書いてくれた。当時の帝国の国王となった、劉邦については、農家の3男で、好色で、オオボラつきでありながらも、人を引きつける魅力があった。項羽は、名門将軍の子孫、そして、武道に長け部下の信頼も厚かったのであるが、自分のうぬぼれと、部下の功績に対して恩賞を惜しんだ。その二人が王になるための戦いは、信長、秀吉の時代ばかりでなく、今のバカ政治家の多い時代にも通じる。日本の歴史がはっきりとしていないこの時代に中国ではすでに興っていたことを、よくぞ、教えてくれました。その他に、「背水の陣」のいわれについも、韓信が、寄せ集めの漢軍を率いて、趙と戦ったときに、常識では考えられない、川を背にして、逃げ場をなくし対峙し勝利した。また、「四面楚歌」など、普段何気なく使っている言葉も、まるで映像を見るように、語源を知った。いずれにしても、「項羽と劉邦」は、信頼される人間とはなんぞやと問いただした書であった。



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