ナベッチーのエンジョイライフ

他人様からすれば他愛もないことでも、記憶にとどめておきたい事、感動したスポーツ、本、映画などを思いつくままです。

山田風太郎

2010-05-14 11:14:44 | ブック(記憶に残したい本、文章)

 山田風太郎 「あと1000回の晩餐」 平成6年から8年10月まで‘朝日新聞’‘産経新聞’‘問題小説’‘This is 読売’等に掲載された随筆である。 山田風太郎は1922年生まれであるから私よりは20才先輩である。いまも存命していれば87才であるが、平成13年79才で亡くなった。この随筆を書き始めたのが、平成6年であるから7年ほどは好きな食事は召し上がっ たのである。著者がどのような食事をしていたのかとなると、12月1日 朝  チャーハン、スープ  夕  スキヤキ  12月2日 朝 スキヤキの残り。 夕 豚のショーガ焼き、キスの塩焼き、アップルパイ、お新香とある。1日に朝夕だけで2週間の記録をのこしているが、酒を飲みながらおかずを食うのが私の習慣であるが、料理はある程度の時間をおいて順々に出てくる。そのたびに箸を置いてメモ帳に書き入れる。酒の酔いも料理の味もそのたびにケシ飛んでしまう。大げさに言えば、一種の格闘的作業のように悪戦苦闘したと書いていた。私も一日だけ挑戦してみようと5月12日に記録を残してみた。 朝  赤だしみそ汁 具はトーフとわかめ、大根の葉っぱに油揚げを入れた煮物、数日前に食べ残した鮭をほぐしたもの(家内は残りものとは失礼な貴方のために余分に作っておいたのであると言うであろう)、蒟蒻とゴマの和えもの、梅干し、 ご飯の上にアボガドに鰹節を混ぜ合わせて醤油を数滴かけて一膳の飯。 そして茶碗に牛乳90CCを入れて、茶碗4分の1ほどのオールブランフレークである。 昼 朝のみそ汁の残りにご飯と、少量の紫蘇の葉を土瓶で温めた雑炊が約一膳、 トーストに蜂蜜をつけて1枚、 朝の残りの大根の葉、ハッサク半分であった。夜 養老温泉の帰りに(FAX注文をしておいた)スシローで持ち帰りの寿司を12皿注文したので、多分12種、 焼酎のウーロン割り 1パイ チーズ、朝の残りの蒟蒻のゴマ和えであった。 いずれのおかずもご飯も多くは食べないが、季節感もあり、味も、多分栄養配分よくまことに美味しくいただいた。 一方風太郎さんは、タバコは紫煙のヤニのために、壁も天井も机も飴色に染まるほど吸い、酒については、「日は日くれよ 夜は夜明けよと 啼蛙(ナクカワズ)」 蕪村の句をもじって 「日は酒くれよ 夜は酒くれよと 啼蛙」というほど毎日のタバコと酒で命が惜しくないのかと思うのであるが、著者はどこか長生きしたくない望みがあるせいではないかとも書いていた。この違いは「あと1000回の晩餐」と。「まだ5000回の晩餐」の考え方の差なのであろうか?