横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

2014年12月11日 15時07分頃 山梨県東部を震源地とする地震

2014年12月11日 | 地震情報
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12月11日(木)15時07分頃、山梨県東部を震源地とする地震(速報値M4.3)が発生しました。
震源の深さは約20km、秦野市曽屋、山北町山北、相模原緑区中野で震度4を観測しています。


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この地震の震源は、北緯35.5度、東経139.0度付近、道志村付近の地下20kmです。

震央から丹沢山地を挟んだ南から東にかけた山北、秦野、相模原市緑区で震度4を観測している一方、震源に最も近いと思われる道志村役場は震度2しか観測していないようです。

発震機構解(速報値)は、北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型です。

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この付近はフィリピン海プレートのもぐりこみ深さが浅く、道志村付近は内陸部であるにもかかわらず、深さ約20km弱と推定されています。今回の地震も、沈み込み面での地震かもしれません。ただ、この付近は北上するフィリピン海プレートに乗って伊豆半島が南から衝突した場所だと言われ、地下構造もよく分かっておらず複雑になっていると思われます。

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記憶に新しいのは、2012年1月28日に、今回の震源と非常に近い位置、ほぼ同じ深さ(18km~21km)で、M5.4をはじめとする地震が連続したことです。このときは、翌29日にかけて、ほぼ同じ震源でM4.0以上の地震が5回も発生し、最大の震度を観測した28日7時43分の地震では、忍野村や富士河口湖町で震度5弱の揺れがありました。発震機構解は、いずれも北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、今回とほぼ同じです。

このときの震源地は、道志村の板橋地区付近(道の駅どうしより、やや山中湖寄りの位置)、道志川が流れているあたりの地下を中心とする領域だと思われています。今回の震源も、ほぼ同じ位置ではないかと思います。

なお、この2012年の地震で最大震度5弱を観測したときも、震源に最も近い道志村役場に設置された震度計は震度3しか観測していません。道志村に観測点が1点しかないなど、観測機器の問題も否定できないのですが、上野原や都留といった震源に近い他の観測点も同様に震度が低く、震央を囲むようにドーナツ状に大きな震度が出る傾向があったため、特殊な地質や地盤も示唆されます。

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