横浜地球物理学研究所

地震予知・地震予測の検証など

2016年6月16日 14時21分頃 内浦湾を震源地とする地震

2016年06月16日 | 地震情報
 
2016年6月16日(木)14時21分頃、内浦湾を震源地とする地震(速報値M5.3)が発生しました。

函館市川汲町(旧南茅部町)で震度6弱を観測しています。


(気象庁HP地震情報より)


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発震機構は、西南西→←東北東の圧力軸の逆断層型のようです。震源は、旧南茅部町市街のすぐ沖で、深さ11kmとのことです。


(気象庁HPの図より作成)


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この付近では、過去に大きな被害地震は知られていません。ただし、旧南茅部町付近の一帯からすぐ沖にかけては、小さな浅い地震がこれまでも比較的多くあったようです。

この地震の5時間前、9:05と9:13に、前震とみられる2回の有感地震があったことが興味深いです。


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こうした浅めの地震は余震が多いことが普通で、今後もしばらくは余震が予想されます。
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2016年4月14日 21時26分頃 熊本県熊本地方を震源地とする地震

2016年04月14日 | 地震情報
 
2016年4月14日(木)21時26分頃、熊本県熊本地方を震源地とする地震(速報値M6.4、後にM6.5に修正)が発生しました。

震源の深さは約10km、熊本県益城町宮園で震度7を観測しています(計測震度は6.6のようです)。

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発震機構は、おおむね東西に圧力軸、南北に張力軸を持つ、横ずれ断層型のようです。


    (気象庁HPの図より作成)


発震機構、震源の位置、規模から推定して、布田川・日奈久断層帯の益城町~美里町あたりが右横ずれを起こしたものと考えられます(上図右側の断層の動き)。

速報の震源はおおむね御船町のあたりで、セントロイドは甲佐町~美里町付近。M6.4ですと断層は10km以上にわたってズレを呈する規模ですので、益城町から美里町付近まで断層が動いた可能性もあります。


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なお、布田川・日奈久断層帯につきましては、以前に動きが気になる断層帯として取り上げた記事(2014年12月)もありますので、ご参照ください。



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浅めの地震は余震が多いことが普通です。今回の地震も、大きな余震があることが予想されます。
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2016年4月1日 11時39分頃 三重県南東沖を震源地とする地震

2016年04月01日 | 地震情報
2016年4月1日(金)11時39分頃、三重県南東沖を震源地とする地震(速報値M6.7)が発生しました。

震源の深さは約10km、和歌山県古座川町高池で震度4(震度計測値は3.6のようです)を観測しています。

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発震機構は、おおむね北西-南東に圧力軸を持つ逆断層型のようです。


    (気象庁HPの図より作成)


圧力軸の方向もフィリピン海プレートの沈み込み方向とおおむね一致しますし、深さから見ても、典型的なフィリピン海プレートの沈み込み面での海溝型地震だと思われます。

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三重県南東沖を震源とする地震としては、2004/9/5に発生した地震M7.1があります(新宮市などで震度5弱)。このときの震源は、今日の地震よりもう少し沖の、ほぼ南海トラフの真下の深さ40km弱で、プレートの内部での地震と考えられています。従って、今回の地震とは、メカニズムが異なることになります。

他に三重県南東沖で起きた浅めの地震としては、1966/1/11のM5.9(深さ5km)、1968/5/9のM5.6(深さ20km)があるようですが、近隣の遠州灘や和歌山県南方沖もあわせて、この辺りでのフィリピン海プレートの「沈み込み面」での地震としては、昭和東南海地震(1944)や昭和南海地震(1946)以来、今回の地震が最大の規模と言って良さそうです。

また、浅めの地震ですので、余震があるかも知れません。
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2016年1月14日 12時25分頃 浦河沖を震源地とする地震

2016年01月14日 | 地震情報
2016年1月14日(木)12時25分頃、 浦河沖を震源地とする地震(速報値M6.7)が発生しました。

震源の深さは約50km、浦河町潮見、函館市泊町、青森県東通村砂子又沢内などで震度5弱を観測しています。

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震源位置は、北緯42.0度、東経142.8度とのことで、浦河町から様似町にかけて付近の沖、深さ50km。発震機構は、おおむね北西-南東に圧力軸を持つ逆断層型のようです。




圧力軸の方向は、太平洋プレートの沈み込み方向とおおむね一致しますが、Hi-Netの震源位置を見ると深さ的には北海道から東北でよくみられる二重地震面のうち下面のほうにも見えます。

(※1/14後記 気象庁が発表した「発生場所の詳細」によると、震源は二重地震面の上面に見えます。発震機構的にも、二重地震面の上面で発生する、典型的な海溝型の逆断層地震かも知れません)

この地域は、この形の地震が良く起きる場所であり、この程度の規模であればさほど驚くべきものでもないと思います。東京でも高いビルに居た方などは、弱い横揺れを感じたのではないでしょうか。
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2016年1月11日 15時26分頃 青森県三八上北地方を震源地とする地震

2016年01月11日 | 地震情報
2016年1月11日(月)15時26分頃、青森県三八上北地方を震源地とする地震(速報値M4.5)が発生しました。

震源の深さは速報値で約10km、南部町平で震度5弱を観測しています。

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震源位置は、速報セントロイド値で北緯40度23.4分 東経141度17.8分とのことで、青森県南部町と三戸町の境界付近の地下11km、のようです。地震の規模そのものはそれほど大きくはありませんが、たまたま震源近くに震度計の観測点があり、震度5弱が1点出た格好です。

発震機構は、おおむね東北東-西南西に圧力軸を持つ逆断層型のようです。



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このあたりには、ちょうど西側が相対的に隆起する逆断層と推定されている折爪断層があります。仮にこの推定が正しく、今回この折爪断層が動いたものとすると、上図のうち右側のような動きだった可能性があります。

なお、この近辺では近年は特に大きな地震の記録はありませんが、1902年にM7前後の地震が発生しています。折爪断層との関係は不明とのことです。

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