「全国高校野球選手権大会の大会本部は17日、オンラインで会見し、選手一人が新型コロナウイルスに感染したことが判明していた東北学院(宮城)について、2回戦以降の出場を辞退すると発表した。同校からこの日の夕方、午後6時10分に連絡があり『試合に出場することで当事者が特定される恐れがあり、生徒の将来に影響を及ぼす可能性がある』ことを理由に申し入れがあり、受理した。オンラインで緊急会見を開いた高野連の八田会長は『心中をお察しします。代表校2校が辞退することになり、大変残念です』と語った。」(2021/08/17デイリースポーツ)。
さぞや、チームと学校は判断に窮したことであろう。初出場で初勝利を経験したばかりのナインにとって興奮冷めやらぬその翌々日に「感染」が判明。この選手を一人隔離して、他の選手たちには連日PCR検査をすることで感染の有無を確認できる。幸か不幸か?、甲子園は連日雨・雨・雨の毎日、経過観察も十分に出来てチームの安全は確保できる。
はやる選手たちを学校や監督はなんとなだめて出場停止を納得させたのであろうか? また、運悪くコロナに襲われた選手の気持ちは如何ばかりであったろう? 自分の感染によってチームメイトの夢を無にしてしまったという<不条理>に苛まれなかったであろうか?
恐らくこういう「事態」に対して「先進国?」であれば、ほとんど問題無く、感染した選手だけを除いて後続の試合は淡々と行われたことであろう。しかし、この国ではそうはいかないらしい?
「春夏通じて初出場の東北学院が主導権を奪い、記念の甲子園初勝利を挙げた。夏13回目出場の強豪・愛工大名電を下した渡辺徹監督は『まさか勝利を現実にできるとは。夢みたいです』と喜んだ」(2021/08/11同上)と報じられる程の歓喜の中で、「試合に出場することで当事者が特定される恐れがあり、生徒の将来に影響を及ぼす可能性がある」という判断に至る「不条理」。残念ながら、これはこの国の後進性の故ではないのか???
本当?なら、この感染した一人の選手に向かって、試合に出られなくなった不運を同情し、かつ他の選手たちに感染しなくて良かったと安堵するのが「世間」が取るべき理解であり、判断であるべきを、特定されることで起こる「予期できない事態」への「忖度」または「推察」が学校関係者たちの「常識的判断」の中にあってのこれが結論であったのであろう。
この約1年8カ月のコロナパンデミックの中で、この東北学院大学付属高校野球部に対して「事後に起こると予想」されたような世間の「朱文字」(N.ホーソン)的可視・不可視の「排除の論理」が随所に有ったのではないかと想像される。
そこに厳然と存在する、「パンデミックに対する謂れなき恐怖」、「ハンセン病や結核に対する集団ヒステリー」、「優生保護法を戦後半世紀にもわたって維持し続けた未開性!後進性‼」。反省すべき事項が多すぎる。
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