弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

福島原発事故、旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵するレベル7

2011年04月13日 | 東日本震災

まだまだ余震が続いています。

12日の朝にも昼にも大きな揺れがありました。
11日の余震は未明までに30回もあったということです。
まだ、地震は終わっていません。

とうとう、福島原発事故の評価を深刻な事故とされるレベル7に引きあげました。
これまで最悪の事故とされてきたチェルノブイリに匹敵するレベルです。
そればかりか、さらにもっと悪くなる可能性もあるということです。

前にも書きましたが、連日の報道はすべて嘘だったということです。

今回の事故がここまで大きくなったのは、明らかに政治の責任です
(勿論東電はいうまでもありませんが)。
パフォーマンスをすることしか知らない、それですんできた連中には
今回のような重大な事態に対応する能力も経験もなかったということです。

さて、これまでの情報が嘘だったとすると、これからの情報だってどこまで
信じられるかわかりません。
ただ、地震については気象庁が、原発については保安院、東電が直接、記者会見を
しているようなので、少しは信じられるようになるかもしれません。
(なお、東電の無責任体質は政治とのなれ合いの中で起こっているのです)

東電の国有化の話などが出るようになっていますが、そういう話をする段階では
ありません。今何をすべきかがわからない連中が、何かを言わなくてはということで
話題にしているのでしょうが、こういうのこそ一種の風評であり、余計なことで
混乱させるだけです。

捜査の可視化が言われていますが、むしろ、政治家の議論の場こそ、
監視カメラを設置し、後日のために記録を保存しておくべきと思います。
そうすれば、もう少し責任のある行動を期待できるのではないでしょうか。

村本無罪判決にからむ前田元検事に1年6月の実刑判決があったということです。
村本氏は検察の世界は特殊だといいますが、政治家の世界はもっと特殊で
自己顕示欲の強い、無責任集団だということが今回の未曾有の事故を通して
明らかになりました。
私の属する弁護士の世界もいい加減です。
これについては、私の近著の「虚飾の聖域」で明らかにしたところです。

チェルノブイリは国土の広いロシアでの事故ですが、福島原発の事故は
狭くて人口の密集する日本で起こっています。
チェルノブイリは今もいわゆる無人地帯になっているということです。
命や健康を口先とは裏腹に、なんとも思っていない日本特有のものの考え方
を思うと、この先、その時々のご都合で、数字も適当に料理されて
公表されのではとの危惧はのこります。

世界の目がみています。
透明性、これが大事です。
国民をごまかさないでほしいものです。

 

(以下はMNS 産経ニュースからそのまま転載したものです。)

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、福島第1原発事故の深刻度が国際評価尺度で最悪の「レベル7」と変更されたことについて「最も驚いたのは、このような大量の放射性物質が放出されたと公的に認めるまでに1カ月かかったことだ」と指摘する米原子力専門家の批判的な内容を紹介、日本政府の対応の遅さを強調した。

 記事は「日本の原子力災害、チェルノブイリと並ぶ」との見出しで「何人かの原子力産業関係者は数週間にわたり大量の放射性物質が放出されたと指摘してきたが、日本政府当局者は一貫してその可能性を低く見積もってきた」とも指摘した。(共同)

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ニューヨークタイムズですから、婉曲的な表現ですが、要は私がここで書いたような
ことを言っているのです。
おそらく世界の目が厳しくなって誤魔化しがきかなくなったので、レベルを引き上げたのだと
思います。
避難の範囲を10キロから20キロに拡大した時に、危険はないけれど安全のためというような
曖昧な表現でしたが、あのころ既に認識していたものとみるべきでしょう。