弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

福島原発、放射性物質の監視

2011年04月01日 | 日記

地震、津波発生の3月11日以降、原発をコントロールできるのではと
一縷の望みを託して、見続けてきましたので、
すべての試みが失敗に終わったとわかった途端、緊張の糸が切れたようです。

今後、原発をどうするかとは別にして、今回の反省をきっちりとしておく必要が
あります。
少なくとも、もう少し海から離れたところだったら、津波の被害はなかったのでは、
ということは第一の反省点です。

つぎに、事故が起こったことが判明した後の対応に問題はなかったか、です。
冷却することが先決だということで、どこに原因があるのかを検討することなく、
放水作業をしたことはどうだったかです。
海外のニュースをみていると、原子炉の破損、溶解の可能性を示唆し、
まず原因が何か、探る必要があるのではという論調が見られました。

やみくもに放水作戦に走ったことについて、日本はハイテクの国と思われているが、
この放水作戦をみて、意外にもローテクだったとの分析がありました。
どうやら、危機に直面した時の準備がなかったようですが、
アメリカが早い段階で、官邸に支援の申出をしたようですが、
菅総理はこれを無視していたということです。
誰が考えたって、放射性物質による被ばくの危険があるところで、必要なのはロボット、
つまり機械であることは、明白です。

日本人は、いざというときには命を大事にしない民族なのかもしれません。
海外の人はそう見たはずです。

私は、いつもアメリカのメキシコ湾岸で起こった海底油田の爆発、それによる
オイルの流出事故のことを考えていました。

もういちど日本人のメンタリティーについて見直してみる時だと思います。
危機に直面した時に、下を向いて黙々と働くだけというのではなく、
頭をあげて事態を直視し、頭を働かせて、それから行動することです。

これからは、放射性物質の拡散を警戒し、適切に対応しなければなりません。
また、いよいよ復興作業が始まります。
広範囲な部分が完全に崩壊したのですから、普段、当たり前であったことに
ひとつひとつに対応していかなくてはなりません。

ひとつ先を見通した政策が必要です。
菅総理のもとに復興庁を創設してあたるということですが、
いままで、冷静さを失い、リーダーシップを発揮できなかった人に、
この作業が務まるとは到底思えません。
危機直後は、各人が本能的に対応するので、トップが少々ウロウロしていても
何とかなるものです。

しかし、これからは、個人の努力でできることは少なくなります。
金を出せばいいというような考えでは、金の垂れ流しになってしまいます。
日本全体の経済活動が停滞するのですから無駄遣いはできません。
しかし、もしこのまま民主党政権のもとで、復興が行われるなら、
おそらく、極めて非効率で、3回目の奇蹟は起こらないことは確かです。

(3月31日の記事、公開予約の設定間違いで、遅れてしまいました)