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加藤陽子 ノンフィクション100選:ベスト10
※コメントは選者ご本人によるものです

野中広務 差別と権力 (講談社文庫)
魚住昭
講談社文庫/2006年
田中角栄により確立された日本型所得再分配のシステム、それを支えた野中広務伝の決定版。法律の裏面を読み抜き、相手陣営の切り崩しに果敢に挑む野中の行動と倫理に対し深い共感を覚えている自分に驚く

レイテ戦記 (上巻) (中公文庫)
レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)
レイテ戦記 下  中公文庫 A 33-4
大岡昇平
中公文庫/1974年
35歳で召集されフィリピンはミンドロ島に連れていかれた老兵が日米の史料を駆使して描いた戦。愚かな作戦であったとは書いても、愚かな日本軍であったとは書けない作者のまなざしもまた魅力的

アメリカの影―戦後再見 (講談社学術文庫)
加藤典洋
講談社学術文庫/1995年
アメリカの原爆製造計画が実のところ日本への投下を当初から織り込み済みであったのではないか、との問いは衝撃的であった。日本の知識人は高齢化すると何故右への情熱の虜となるのかとの問いも今なお新鮮

淋しき越山会の女王―他六編 (岩波現代文庫―社会)
児玉隆也
岩波現代文庫/2001年
表題作は、同時に発表された立花隆「田中角栄研究 その金脈と人脈」に比べ、湿度を感じさせる文体。佐藤昭の故郷・新潟県柏崎の風土を思わせる。著者の38歳での早逝が惜しまれる

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
佐藤優
新潮文庫/2007年
外務省欧亜局とは別の筋で対ロ情報活動に従事してきた著者逮捕劇の政治的な舞台裏を活写。情報に関わってきた著者の力の程は、この本一冊で世の中の見方を一変させた手腕からも折り紙付

阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫)
佐野眞一
新潮文庫/2007年
上海をベースとする阿片取引で軍機密費を一人叩き出していた魔王・里見甫の生涯を追った評伝。里見が敗戦後直ちに中華航空機で日本に舞い戻れた一件自体、開拓団の悲惨さを考える時、感無量

昭和天皇〈第1部〉日露戦争と乃木希典の死
昭和天皇〈第2部〉英国王室と関東大震災
福田和也
文藝春秋/2008年
「彼の人」という主語を編み出すことで、天皇にまつわる敬語表現の桎梏を脱し、史料の博捜から昭和天皇の「さびしさ」を描く。いまだ連載中だが、昭和天皇ものの決定版となるのではないか

不当逮捕 (講談社文庫)
本田靖春
講談社文庫/1986年
検察・政界に手を突っ込み大胆に情報を得て昭電疑獄などの特ダネをものにした読売新聞社会部の伝説の記者・立松和博の栄光とその死を追う。読者は立松の姿が本田自身の姿と重なるのに気づかざるをえない

昭和史発掘〈1〉 (文春文庫)
昭和史発掘〈2〉 (文春文庫)
昭和史発掘〈3〉 (文春文庫)
昭和史発掘 (4) [新装版] (文春文庫)
昭和史発掘 (5) [新装版] (文春文庫)
昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)
昭和史発掘 (7) [新装版] (文春文庫)
昭和史発掘 <新装版> 8 (文春文庫)
昭和史発掘 <新装版> 9 (文春文庫)
松本清張
文春文庫/2005年
蹶起将校側、鎮圧側双方の新史料を博捜し、透徹した人間観察に裏打ちされた目で斬った二・二六事件像は他の追随を許さない。佐分利貞男公使の怪死、スパイMの謀略等についても秀逸(新装版)

夜の食国(よるのおすくに)
吉田司
白水社/1987年
日本という国が東アジアにあることの重さと宿命を、海の民・山の民の守護神・月讀命(つくよみのみこと)の系列の思想を、古典に遡りつつ、古層に沈んだ日本の周辺地域の語りから蘇らせた傑作


「和書その1」に続く
加藤陽子
Profile
かとう ようこ
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。2007年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本近現代史。『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書)、『シリーズ日本近現代史(5) 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)など著書多数

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国立国会図書館憲政資料室
 「ここで、新着史料を確認するのが楽しみ」
国立公文書館
 「ここでも新規公開史料をチェック」



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