■オリジナル読み物は「ISSUE」で、ノンフィクション書籍情報は「BOOK WEB」で、ノンフィクション作家情報は「WHO'S WHO」で
オリジナル読み物満載の現代プレミアブログISSUEページへノンフィクション作品ガイド満載の現代プレミアブログBOOK WEBページへノンフィクション作家の情報満載の現代プレミアブログWHO'S WHOページヘ現代プレミアブログCOMMUNICATIONページヘ現代プレミアブログWORK SHOPページヘ
現代ビジネスOPEN!! どりこの探偵局


7月12日 群馬大会・上毛新聞敷島球場

二回戦

樹徳 13-1 桐生工 (7回コールド)

レポート 小関順二

 少し遅れて高崎城南球場に着くと、入場券売り場まで延々数十メートルの列ができていた。距離感に自信はないが恐らく20メートルは下らないだろう。球場内は既に立錐の余地もない超満員。外で並んでいる人たちは果たして座って観戦することができるだろうかと心配してしまった。

 第1試合の前橋工対高崎商戦は全国を見回しても初戦(2回戦)のものとしては屈指の好カード。長蛇の列ができるのも納得がいく。試合は大観衆の期待にたがわず延長戦にもつれ込む大熱戦で、延長10回裏、センバツ出場校の高崎商が甲子園の常連校、前橋工をサヨナラ犠飛で突き放した。高崎商の渡辺貴仁(投手)、松本尚之(左翼手)、前橋工の篠崎祐典(捕手)など好選手が多く、前橋工は打者走者の全力疾走が4人・6回を数えた。

 これほど見ごたえはあっても、ここで取り上げるのは上毛新聞敷島球場に場所を移して観戦した樹徳対桐生工戦である。大いに注目したのは投手・岡貴之、捕手・米田達哉、遊撃手・倉林寛、中堅手・風間優と続く樹徳のセンターライン。この充実感は高崎城南球場で見た2校より上と断言できる。とくに岡―米田のバッテリーは素晴らしかった。

 米田のイニング間に行われる二塁送球は1~3回まで「1・96、1・94、1・97秒」と2秒切りを続けた。足も速く、1回表のバントでは一塁到達3・97秒を記録。これらのストップウオッチで得られる数字は、運動能力の高さとともに試合への参加意識の高さを物語っている。思い切りのいいバッティングも目を引き、3回戦以降はさらに注目を集める存在になっているだろう。

 左腕の岡は176センチ、74キロの体格も自己最速139キロのスピードも目を引く存在ではないが、ピッチングの完成度、バント処理や一塁カバーリングで見せるディフェンスのうまさは全国レベルと言っても過言ではない。

 ピッチングの特徴はトップ(投げる直前の形)の浅さ。もうひと動作入れて胸を万全に張ってから投げに行けばいいような気もするが、ひと動作入れないからこそ余計なねじれや横ブレを生じないとも言える。適切な比喩ではないが、前にいる人の頭を平手で叩くような投げ方である。真下にボールを叩きつけるような投げ方、と言ったほうがわかりやすいだろうか。とにかくリストワークのよさに見ごたえがある。

 低めストレートが伸び、変化球は右打者の軸足に絡みつくような縦割れのカーブと、小さく鋭く横に変化するスライダーがあり万全。コントロールも安定し、追い込むと高めのボール球で誘う度胸のよさがある。捕手の返球を受け取ってからほぼ4~5秒で投げるテンポの速さに特徴があるが、5回には打者が構えていないのに投げて主審から注意される場面もあった。こういう部分も好ましく思えるほど、この日の岡は素晴らしかった。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 奈良県38年の... 原武史のノン... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。