探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

洞穴種気取り

2017年10月15日 | 未同定種

先日行った道東方面でのエゾガロアムシ分布調査にて。

掘ったら、白色のヤスデが出てきた。
地下浅層の礫層ではなく、その上面の黒土層。
掘削系探索をしているとヤスデは普通に出てくる。
しかし白色のヤスデは初めてなんだろうか・・・?
それほどヤスデに興味がないので記憶がない。
なぜ今回ヤスデに注目したのかというと、目的のガロアムシどころか他の地下性生物がほとんど出なかったので、ヤスデでも目についた。

写真の個体は体長2cmほどで、もう少し大きな個体もいた。
これより小さい個体はもっと白い。
大きくなると若干褐色を帯びるようだ。


無眼だ・・・地下性ヤスデか?
そんな地下深くにいないのに洞穴種気取りとは生意気だね。


暫定的分布域調査結果

2017年10月11日 | ガロアムシなど掘削系探索

数年前から北海道産ガロアムシの分布調査を個人的に行ってきた。
おおよそ解明されつつあり、今回推測の域を出ないが一時的にまとめてみることにした。
(いつ病気や探索中の事故に遭うかもしれないという事も考慮に入れて)

以前は報文としてガロアムシも扱っている日本直翅類学会の会報誌「ばったりぎす」に投稿していたのだが、最近いろいろあるらしく活動が滞っているのでブログで公開。
まぁ今回は内容的にも中途半端で、投稿しないレベルだけど・・・


まずは道東エリア
黄色帯は丘陵地~低山地になっており、そこから西は石狩山地でガロアムシは確認できる。
しかし道東エリアに入ってから、全くガロアムシが掘り出せなくなった。
(×は調査地周辺)
低地や大きな河川があるわけではなく、東へ分布域を広げられない原因が分からない。
地理的に渡れない原因がかつてあったのかもしれない。阿寒湖周辺の火山活動とか。

ここで更に東の斜里岳に飛び地分布していたら面白いのだが。


道東エリアの環境(置戸・陸別~訓子府・北見間)
冷涼で多湿な環境が普通に見られ、手ごろな礫層もある。
ただ空隙が少ないので、入り込んでいる生き物がかなり少なく感じた。
それでも夕張山地や日高山脈でこの環境があれば、苦も無くガロアムシを掘り出せるのだが・・・
こことは別の白糠丘陵では、ほとんどが乾燥気味で生息に適していなかった。


次は北見山地最北部の宗谷丘陵での調査。
手前の中頓別町(赤〇部分)では確認できているが、宗谷丘陵では確認することができなかった。
おそらく国道275が分布の境と思われる。


宗谷丘陵
2万年前の氷河期に形成された周氷河地形。
木々は疎らで、一面ササで覆われている。どこもこんな感じ。
このような状態では、土壌は乾燥し、冷涼な環境が維持できないので、ガロアムシの生息環境としては不適。
例え期待できそうな環境があってもササの根が邪魔で掘る事すらできない。
意気も低下する。
至る所にクマ出没の看板があり、奥へ入り込むのに臆してしまった。

明治に山火事があり樹木が消失したらしく、以降気候上、現在も樹木が回復していないという。ということは、昔はガロアムシ生息環境に適していて分布していたのかも?


分布域は簡単に色分けしてこんな感じ。
青:分布域(確認済み)
黄:調査中(分布している可能性がやや有)
赤:非分布域(分布の可能性が極めて低い)

北海道の中央部を南北に長く分布しているが、こう見ると思ったほど分布域が広くない。
更に・・・ゴホゴホ

調査でガロアムシが出れば分布していると明確に言えるが、出ないと本当に分布していないのか、たまたま出せなかったのかの判断が難しい。結果も推測になってしまう。
やはり個人的調査は限界があり、時間が掛かる。自由で制限ないのがいいけど。


※地図は国土地理院の地図を加工利用。


探索後の楽しみ

2017年10月09日 | ガロアムシなど掘削系探索

2日かけて北海道産ガロアムシの分布調査をしてきた。
以前から分布している可能性が高い場所から徐々に調査範囲を広げてきたのだが、そろそろ厳しくなってきた。
1日目は道東(訓子府~北見)、2日目は道北(猿払~稚内)
結果については、後日まとめるとして・・・

十字ギツネを見つけたので、車で執拗に追いかけ、轢かないようにスマホで撮影(悪)
道路脇に逃げればいいのに、ずーっと車の前を走って逃げていた。
やはりノーマルなキタキツネよりは警戒心が高いようだ。
ちなみにカメラが壊れて新カメラ待ちなので、ここ最近の探索はスマホでの撮影。
(1ヵ月待ち・・・)


道東調査を終えて、一気に道北へ。
猿払村の道の駅で車中泊。
到着してまず写真に写っている「憩いの湯」で汗を流した。
かつては温泉だったが、枯渇したので公衆浴場になったらしい。
施設が新しいので浴場は極めて清潔で、気持ち良かった。しかも入湯料300円也。
今後利用させて頂こう。


つぶれる夕日
明日の天気は午後から雨予報なので、午前中にやれることをやってしまおう。

翌朝。早朝から雨降ってやんの。


道北探索後、豊富温泉で汗を流す。
ここは以前から気になっていた温泉で、湯が石油の臭いがするらしい。
微かに香るのかと思ったが、実際入ってみると石油臭が思った以上に強くて驚いた。
しかも湯船には油膜がはっていた。
肌が「つるつる」ではなく、油で「ぬるぬる」となるのが面白い。
疲れが吹き飛び、健康になった気がしないでもない。
ここも今後利用させて頂こう。