あの頃(舞台)8

2020-04-23 07:46:20 | 日記
稽古は順調だった。

Aも稽古場で静かにしている。

Aは、私を避けているようだった。

ただし、大昔の学園ドラマのイジメシーンのように、地味に意地悪をされているような気がした。

稽古中…肝心な時に、必要な小道具が無い…。

例えば、私が舞台中で使うお盆。

舞台を知ってる人ならわかるかも知れませんが、舞台で使う小道具を私物と間違えないように上手・下手の舞台袖に『小道具置き場』にまとめて置いておく。

だから、紛失はあり得ない。

…なのに、消えていた。

ましてや、必ず使うものだから、どこかへ仕舞うことは絶対あり得ない…。

あわてて給湯室に走って急場しのぎのトレーを持ってきたりした。

また、舞台半ばで、下駄を履くシーンがあった。

稽古前のセッティングで、忘れ物をしないように、メモを見ながら用意していた。

…それが、消えて無くなっている。

セッティングをし忘れるハズは無いのに…。

結局、やむを得ず、裸足で『外へ出かける』という状況となった。

「アンコ!裸足でどうした?!」

先生の怒号が飛んだ。

「すみません💦セットし忘れました」

忘れてなんかいません。つい先日、仲間のMが同じように、草履のセットを忘れたので、かなり意識していた。だから、間違いなく、確かにセットした。

…まぁ、でも、ただの言い訳にしかならないので、自分のミスとして、頭を下げた。

「アンコが下駄をセットしたの見てたよ。」

Uが私に近づいて、ボソッと話しかけてきた。






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