「運気を上げに来てるんだ…」
マジシャンの行動には納得したけど、だけど、商品のビリケンさんの足を掻くのには、納得いかない。
そこで、お店の女の子たちが考えた。
そして、ビリケンさんの位置を変えることに。
ショーウィンドウの隙間から手を差し伸べても届かない場所に移動した。
その後、マジシャンが現れた時、
「◯◯◯はありますか?」
「当店にはありませんが、お取り寄せしましょうか?」
「今はいいです」
…の、一連のやり取りが済むと、帰りがけに
いつもの通りショーウィンドウの隙間に手を差し入れようとした。
『あれ?移動した?!』
…と、思ったと思います。
ショーウィンドウの横でしばらくビリケンさんを見つめ続けると、グイッとからだごと差し入れて足に触れようとしている。
「ショーウィンドウ、開けましょうか?」
…女の子が声をかけた。
「あ、いいです。大丈夫です。」
マジシャンは、少し気にしながらも、ビリケンさんに触れるのをあきらめて帰って行った。
「足を掻くくらい、いいんじゃない?」
なんだか気の毒になって、女の子に言ってみた。
「ダメなんです。あの人は、先輩がいた頃から、ここへ来ては、ビリケンさんの足だけ掻いて帰って行く人だったんです。」
「どのくらい前から?」
「かれこれ、3年くらいになります」
「そんなに…」
「…なので、社長もこの件を知っているんですが…、社長もあの人に足を掻かせたくなくて、ショーウィンドウに入れたんです」
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