『もっと、柴犬の話をしましょう!』
結局、笑子さんは田辺くんと会うことになった。
二人で食事をして、3時間ほどを過ごした。
思った以上に気をつかわない、気楽な時間だった。
この人とならお付き合いしてみたい。
笑子さんは、田辺くんの魅力にスイッチが入ってしまったようだった。
「先輩、田辺さんとマッチングしたんですか?」
合コンに一緒に参加した後輩のひとり、莉沙が興味津々で聞いてきた。
「ううん、マッチングなんてしてないよ」
「二人で食事したそうですよね。」
「え?どうしてそれを知ってるの?」
「先日、合コンしたメンバーは知ってますよ。その中の誰かが、二人を見たんだと思います。」
「…そうなんだ…。マッチングじゃないの。彼と犬の話しで盛り上がっちゃって…」
「それを、マッチングって言うんですよ!」
笑子さんは、ハキハキと物を言う莉沙が少し苦手だった。
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