浮気 55

2022-08-31 09:18:52 | 日記
「いらないかも知れないけど、お土産!」

笑子がどんな気持ちで過ごしていたかも知らず、勇一はお気楽にお土産を差し出した。

「ありがとう。」

とりあえず受け取ったが、次に続ける言葉が無い。

「嬉しくないよね…。大阪出張は、笑子も行ってるしね…」

「……」

「…ご、こめんね。」

「……何に謝ったの?」

「え?」

「お土産、いらなかっただろうに…ってこと?それとも……」

「あ、いらなかったかな…って…」

「そう……」

「元気ないね。どうしたの?」

「……もう、会うのやめよう。」

「……?」

「どうして、私と無理に会うの?」

「無理に…って、どうしてそんなこと…」

「私なんかよりも、もっと会っていたい人がいるでしょ

「………」

勇一は黙ってしまった。